投資コラム
副業で不労所得を得るには?おすすめの方法や注意点などを解説
働き方改革によって厚生労働省から副業・兼業を促進する「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が新設され、副業を解禁する企業が増加しています。 会社員として働いている方のなかにも、副業が解禁されて興味を持ち始めた方も多いの […]
働き方改革によって厚生労働省から副業・兼業を促進する「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が新設され、副業を解禁する企業が増加しています。
会社員として働いている方のなかにも、副業が解禁されて興味を持ち始めた方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、副業で不労所得を得るための方法やメリット・デメリットなどを解説します。また、副業で不労所得を得るときの注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 副業で不労所得を得ることは可能?
⇒ 簡単ではないが、達成可能! - 副業で不労所得を得るうえでおすすめの方法は?
⇒ 投資初心者は不動産クラウドファンディングや投資信託から始めるのがおすすめ。 - 副業で不労所得を得る際の注意点は?
⇒ 確定申告が必要、利益を再投資していくなど
目次
不労所得・副業の定義は?それぞれの違いについて
副業に興味を持ち始めた方のなかには、
「そもそも副業って何?」
「副業で不労所得って得られるの?」
といった疑問を持っている方もいるでしょう。
ここでは、不労所得と副業の定義について見ていきましょう。
不労所得とは?
不労所得とは、利子・配当金・家賃・地代など働かないで得る所得と定義されています。
つまり、会社員のように自分が働いて得られる所得にあたる「勤労所得」とは対極の存在にあたり、具体的には、株式投資の配当金やブログやYouTubeの広告収入などが挙げられます。
ただし、不労所得といってもまったく働かないというのはむずかしく、仕組みを構築するまでは勉強したり、実際に作業したりする必要があります。
しかし、仕組みを構築できれば直接的に労働をしなくてもお金を得られることから、不労所得になる可能性があります。
不労所得については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
参考記事:不労所得は現実的に可能なのか解説!いくらくらいなら狙いやすいのか
副業とは?
副業は、本業以外で収入を得るために行う仕事を指します。
副業による働き方は明確に定義されておらず、本業の収入を補てんするための仕事という位置づけになります。副業で仕事にかける労力は、本業よりも小さいことが特徴です。
なお、「副業」と似た言葉に「複業」「兼業」がありますが、それぞれの違いは以下のとおりです。
- 副業:本業以外で収入を得るために行う仕事。あくまで本業がメインであり、副業にかける労力は本業よりも小さい。
- 複業:2つ以上の仕事を掛け持ちする働き方。どの仕事も同じくらいの労力をかける。
- 兼業:本業以外に、本業と同等の労力をかける仕事を掛け持ちしている。
以上のような違いがあります。
副業は、メインの本業に最も労力をかけます。
そのため、副業にあたる仕事と本業ではかける労力に大きな差があることがポイントです。
なお、副業はコンビニエンスストアの店員や新聞の配達員など、自ら働いて得る「勤労所得」と働かないで得られる「不労所得」の両方が該当します。
副業で不労所得を得るためのおすすめの方法12選
副業に興味を持っており、なかでも「勤労所得」ではなく「不労所得」を得られる方法を考えている方も多いでしょう。
ここでは、副業で不労所得を得られる可能性のある12の方法を解説します。
不動産投資
不動産投資による家賃収入は、おすすめの方法の一つです。
そもそも不動産投資は、不動産を購入時よりも高値で売却する「キャピタルゲイン」と、不動産を第三者へ貸し出して家賃収入を得る「インカムゲイン」という2つの利益の出し方があります。
不動産投資は、毎月安定して収入を得やすい、物件を購入した後、管理・運用を管理会社に委託できるといった特徴があり、会社員の方が副業として運用するのに適しています。
ただし、ミドルリスク・ミドルリターンの投資方法と言われるように、空室リスクや家賃滞納リスクなどさまざまなリスクが想定されることや、諸経費が多くかかるなど、考慮しておくべき点もあるので慎重に検討することが大切です。
メリット | 融資を組むと自己資金が少なくても始めやすい景気に左右されにくい管理会社に物件の管理・運用を任せられる |
デメリット | さまざまなリスクがある(空室リスク・家賃滞納リスクなど)不動産登記費用や火災保険料、固定資産税など、さまざまな諸経費がかかる流動性が低い |
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは、少額から始められるリスクの低い不動産投資方法の一つです。
事業者が投資家から資金を元手に不動産を賃貸・取得し、得られた収益を出資金に応じて投資家に配分する投資手法です。ファンドは運用期間が決められており、運用期間を迎えた段階で得られた収益が投資家に分配されます。
先に紹介した現物不動産投資とは異なり、1万円などの少額から投資できるファンドが多いため気軽に始めやすいことが魅力です。
また、物件の管理・運用は事業者に一任できるため、不動産投資の知識がない、管理・運用ができないといった副業初心者の方にもおすすめです。
メリット | 少額から始められる利回りが高い(4~8%程度)物件の管理・運用などを事業者に一任できるインターネットだけで手続きを完結できる |
デメリット | ファンドの運用期間中は途中解約できないリスクが低いため、大きなリターンは期待しにくい |
株式投資
株式投資とは、企業の成長や株価の上昇を見込んで株式を購入し、購入したタイミングよりも株価が値上がりしたタイミングで売却することで収益を得る投資方法です。
また、企業の業績に応じて分配される配当金が得られることもあります。
売却益や配当金を得られれば、副業として不労所得を得られます。
ただし、投資先の企業の業績を調べたり、市場の状況を見て売買のタイミングを決めたりと、こまめに情報収集・分析をしなければなりません。
さらに、株式は100株単位での購入となるため、ある程度まとまった自己資金が必要となることも注意点です。
メリット | 売却益と配当金の両方お収益が見込める大きなリターンを期待できるインターネット上で手続きが完結する |
デメリット | 株価が下落するリスクがある企業の経営悪化・倒産リスクがあるこまめに情報収集・分析をしていく必要があるある程度まとまった元手が必要 |
投資信託
投資信託は、投資家から集めた資金を投資のプロであるファンドマネージャーが運用する方法です。
運用先は国内・海外の株式や債券などが主となっており、運用結果に応じて投資家に利益が分配されます。
少額投資が可能であるうえに、プロに運用を任せられることが魅力で、副業としても始めやすいといえます。
ただし、投資信託はローリスク・ローリターンな方法であるため、不労所得として月数万円以上などを期待するには、時間と資金が必要です。
メリット | 少額から始められる運用をプロに任せられるため、手間がかからない分散投資ができる |
デメリット | 短期間で大きなリターンを期待するのはむずかしい信託報酬や販売手数料などがかかる |
FX
FXは「Foreign Exchange」の略で「外国為替証拠金取引」のことであり、通貨の売買取引で利益を出す方法です。
自動売買ツールを使って取引を行う方法もあるため、方法によっては副業として不労所得が狙えます。
FXの利益の出し方は、通貨を売買してその差額で利益を得る「為替差益」と、通貨を長期保有して利息のような利益を得る「スワップポイント」という方法があります。
なお、FXは、レバレッジという仕組みを利用することで、自分が用意した資金の最大25倍の取引が可能であることがポイントです。
少ない資金でも大きな金額の取引ができるため、短時間で大きなリターンを期待できます。
ただし、レバレッジを効かせた取引は、損失が出たときのマイナスも大きいため、仕組みを理解したうえで行うことが重要です。
世界中の市場動向が影響しやすく、相場が短時間で大きく変動するといった点から、値動きが予想しにくく、初心者にはややむずかしい方法であることを認識しておきましょう。
メリット | 少額で始めることができる上昇局面/下落局面の両方で利益が狙えるレバレッジを効かせると少ない資金で大きなリターンを期待できる手数料が無料で、取引コストが安い |
デメリット | 大きな損失が出るリスクがある自分が用意した資金よりも大きな損失が出る可能性がある値動きを予想するのがむずかしい |
シェアリングサービス
シェアリングサービスは、スペースやモノを第三者に貸し出すことで、利益を得る方法です。
たとえば、所有している自動車や空き部屋、ブランド品などがシェアリングサービスで用いられています。
需要のある自動車やブランド品などを所有している方は、初期費用をかけずに自分自身の資産を活用することで収益化が狙えます。
ただし、スペースやモノの貸し借りを巡ってトラブルになったり、集客に苦戦して思うように収益化できなかったりすることが注意点です。
メリット | 資産を有効活用できるすでにモノやスペースを所有している場合は、初期費用がかからない対象サービスの種類が豊富 |
デメリット | 貸し借りを巡ってトラブルになる可能性がある貸し出したものを傷つけられたり、壊されたりする可能性があるジャンルによっては競争率が高い |
民泊経営
民泊経営は、所有している空き家や物件を、第三者に貸し出すサービスです。
Airbnbが有名なプラットフォームサービスであり、物件の登録を行うと希望者からオファーが届きます。
鍵の受け渡しは非対面で行うことが可能ですが、物件の管理・清掃などの対応は必要となります。
需要のあるエリアで空き部屋や物件を所有している、もしくは購入する資金がある場合は、会社員として副業で民泊経営をして、不労所得にできます。
メリット | 少ない元手でまとまった利益になる可能性がある利用者が集まれば安定した収益になる |
デメリット | 損失のリスクや収益の不安定性物件が汚れたり壊されたりする可能性がある近所から苦情がくる可能性がある年間営業日数の上限が180日に定められているマイナスの口コミによる価値低下 |
駐車場経営
不労所得を得るうえで、駐車場経営は人気のジャンルの一つです。
所有している土地を利用する、もしくは土地を購入して、月極駐車場やコインパーキングとして貸し出します。
需要のあるエリアであれば安定した収益が見込めるうえに、空いている土地を駐車場スペースに変えるだけなので初期費用が抑えられます。
また、管理の手間がほとんどかからないため、副業として不労所得を得るのにも適した方法です。
ただし、エリアによっては需要がなく収益が安定しない、定期的に競合の状況をチェックする必要があるといった注意点があります。
メリット | エリアによっては安定した収益が見込める管理・運用の手間がほとんどかからない初期費用を抑えて始めやすい |
デメリット | エリアや競合の状況で収益が左右される土地代や保守費用がかかる |
コインランドリー経営
コインランドリー経営も、駐車場経営と同様に空いているスペースを有効活用して不労所得を得られる方法です。
個人経営、もしくはフランチャイズ形式でコインランドリーをオープンし、利用者に設備を使ってもらい収入を得るビジネスモデルです。
一度開業すればランニングコストがあまりかからないうえに、景気動向に左右されにくい、人件費を抑えて経営できるなどの魅力があります。
ただし、あらかじめ土地を持っていたとしても、更地から開業する場合は約3,000~4,000万円のまとまった資金が必要です。
さらに、客単価が低いため、初期費用を回収するまでに時間がかかるうえに、競合との差別化がむずかしい、収益の安定性がエリアに依存しやすいなどの注意点があります。
メリット | 空いている土地を有効活用できるランニングコスト・人件費がほとんどかからない営業時間の自由度が高い景気動向に左右されにくい |
デメリット | 初期費用が高い客単価が低い設備が故障する可能性がある需要のあるエリアを見極めるのがむずかしい競合他社との差別化がむずかしい |
書籍・楽曲販売の印税収入
書籍や楽曲などを制作して販売し、売上から印税を不労所得とする方法もあります。
書籍や楽曲の制作はハードルが高いというイメージがあるかもしれません。しかし、最近では電子書籍で本を販売したり、SNSで制作した楽曲を発信したりできるため、制作すること自体はそれほどむずかしくありません。
ただし、売れなければ収益にならないため、安定した収益を期待するのはむずかしいかもしれません。
クリエイティブなことが好きで、書籍や楽曲の制作に時間とエネルギーをかけられる方にはおすすめの選択肢です。
メリット | 趣味を活かせる損失リスクが少ない維持費がほとんどかからない |
デメリット | 売れなければ収益にならない作品を作るのに時間や労力がかかる短期間で安定した収益を狙うのはむずかしい |
ブログやYouTube配信による広告収入
ブログやYouTube配信を通して、広告収入を得る方法もあります。
ブログやYouTube配信する際、閲覧者に対して広告を表示させたり、バナーを設置してリンク先に飛んでもらったりすることで、広告料を得るのが基本です。
自分自身の興味のあることや専門知識、日々の生活などを発信して、コンテンツ制作がしたいという方に適した方法です。
初期費用をほとんどかけずに始められるうえに、視聴者とコミュニケーションが取れることが魅力です。
ただし、誰でも始められる分、参入障壁が低く競合が多い、収益化できるまでに時間や手間がかかるため根気よく継続していく必要があるといった点がデメリットです。
また、安定して収益を得るには、有益なコンテンツを発信し続けることが求められるため、収益化できた後もある程度の手間はかかってしまいます。
メリット | 自分の興味のあることを生かしやすい初期費用がほとんどかからない視聴者とのコミュニケーションが取れる人気が出れば大きな収益になる可能性がある |
デメリット | 必ず収益化できるとは言い切れない収益化まで時間がかかる競合が多い有益なコンテンツを発信し続けることが求められる |
アフィリエイト
アフィリエイトとは、ブログやInstagramに購入リンクを貼り、リンクを経由して商品を購入してもらうことで紹介料として収益を得る方法です。
インターネット広告の一つであり、ユーザーが商品を購入したり、サービスを契約したり、何らかの成果に対して報酬が発生する仕組みです。
一般的な広告は、広告がクリックされたり、表示された段階で収益が発生しますが、アフィリエイトは何らかの成果が達成された段階で報酬が発生するので、一件あたりの費用対効果が高いというメリットがあります。
ブログやInstagramのファンが多くなり、多くの人が商品を購入したり、サービスを契約してくれたりする仕組みを構築できれば、安定した不労所得になるでしょう。
ただし、収益化できるようになるまでに時間がかかる、継続してコンテンツを発信していく必要があるなどのデメリットがあります。
メリット | 成果報酬型の広告である一件あたりの費用対効果が高い安定した不労所得になる可能性がある |
デメリット | 必ず収益化できるとは言い切れない収益化まで時間がかかる競合が多い有益なコンテンツを発信し続けることが求められる |
副業で不労所得を得るメリット
副業で不労所得を得られれば、本業のほかにお金が入ってくるようになるため、魅力的に感じている方も多いでしょう。
とくに不労所得であれば、直接的に労働をしなくてもお金を得られます。
では、副業で不労所得を得る具体的なメリットを見ていきましょう。
経済的余裕が持てる
不労所得があることで、経済的な余裕を持てることがメリットです。
本業の勤労所得とは別に、不動産投資やアフィリエイトなどの副業で不労所得を得られる仕組みを構築できれば、効率よくお金を増やせます。
さらに、経済的な余裕が持てれば、子どもの入学金や車の買い替え、リフォームなど、急な出費や欲しいものを購入する際にも心にゆとりが生まれたり、老後の生活のための資産形成にも余裕を持てたりするでしょう。
金銭的な不安を軽減できる
副業による不労所得は、金銭的な不安を軽減できるというメリットもあります。
本業しか収入源がない場合、会社の業績悪化やリストラなどが起こったときに、収入源がなくなる不安があります。
また、将来きちんと年金がもらえるかわからないといった不安を感じている方もいるでしょう。
しかし、副業で不労所得を得られれば、時間をかけなくても一定の収入が保証される状況となるため、心にゆとりが持てます。
また、金銭的不安を解消できることで、新たに資格取得や起業にチャレンジしたり、趣味に時間を使ったりと、新しいことに挑戦しやすくなり生活全般の充実度向上にもつながる可能性があります。
働けなくなった場合のリスクヘッジになる
不労所得は、万が一、働けなくなった場合のリスクヘッジにもなります。
現状は問題なく働けていても、突然、病気や怪我などで本業が続けられない状況になるかもしれません。
副業で不労所得を得られる状態であれば、一定の収入を確保できるため、本業が続けられなくなったときのリスクを軽減できます。
ただし、不労所得はすぐに得られるものではないため、早めに行動して仕組みを構築しておくことが大切です。
老後資金を貯められる
「老後2,000万円問題」という言葉が話題になったこともあり、老後生活に不安を感じている方も多いでしょう。
実際に、年金だけでは老後生活の資金が不足する可能性が高く、ゆとりある老後生活を送るためには、退職までにお金を貯めておく、年金以外の収入源を確保しておくといった対策が必要です。
そこで、副業で不労所得を得られる仕組みが構築できれば、定年退職までに老後資金を貯めやすくなったり、退職後の年金以外の収入源としたりできます。
老後の生活を豊かにするためには、現役時代から計画的に資金を準備することが大切です。
将来的に安心した生活を送れる可能性が高まることも、不労所得のメリットであると言えます。
副業で不労所得を得るデメリット
副業で不労所得を得ることは多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
ここでは、副業で不労所得を得る際のデメリットを解説します。
税負担が増える
不労所得といってもさまざまな種類がありますが、一定の金額以上となった場合は納税が必要です。
会社員の場合、税金の計算や支払いを会社が行ってくれますが、副業で不労所得を得た場合は自分で申告して納税しなければなりません。
不労所得にかかる税金は「所得税」と「住民税」があります。
所得には10種類あり、どのような利益を得たのかによって所得の項目・税率が変わります。
たとえば、家賃収入は不動産所得、株式配当金や証券投資信託の分配金は配当所得に該当し、所得の種類と金額に応じて納税の義務が生じます。
一方、住民税は各自治体が税額を計算して納税者に通知する仕組みです。
不労所得によって、経済的なゆとりがもてるのは事実ですが、本業だけのときと比較して、納税額が高くなること、自分で税金の管理をしなければならない点には注意しましょう。
会社が副業を禁止している場合がある
一部の企業では、就業規則で副業を禁止しています。
その場合、副業を行うことは就業規則に違反していることとなり、懲戒処分や解雇の対象となる可能性があります。
ただし、どの方法を副業とするかは会社によって異なり、家賃収入や株式投資による配当は副業に該当しないところもあるため、まずは勤務先の就業規則を確認することが重要です。
失敗する可能性がある
不労所得を得るために副業を始めても、成功するとは限りません。
なかには初期投資が必要な方法もあるため、初期投資を回収できないまま挫折する可能性があります。
とくに不労所得は、安定して利益を得られるようになるまでに時間がかかるケースがほとんどです。
「時間をかけて地道に取り組んでいたのに、むしろ借金が増えて失敗した」
といったケースに陥る可能性があることを認識しておきましょう。
不労所得に関する税金の基礎知識
副業で不労所得を稼ぐうえで、税金のことを理解しておくことが大切です。
ここでは、副業で不労所得を得るうえで、押さえておくべき税金の基礎知識を解説します。
確定申告について
不労所得の金額が年間20万円を超える場合、確定申告が必須となります。
副業をしておらず、会社に属している給与所得者の場合、会社が源泉徴収と年末調整から、申告手続きを代行してくれているため、自分で確定申告を行う必要はありません。
しかし、副収入の有無については会社が把握できないため、年間20万円等の不労所得が発生した場合は、確定申告が必要となるのです。
申告漏れが発生した場合は、追徴課税などのペナルティが科せられる可能性があるため注意してください。
所得の種類について
ひとえに不労所得といっても、家賃収入や株式の配当金、アフィリエイト、駐車場経営などさまざまな種類があります。
先に解説したとおり、不労所得で得た利益については自分で確定申告を行い、税金を納付しなければなりません。
所得は所得税法で10種類に分類されており、種類ごとに所得税の計算方法が異なるため、得た不労所得が何に該当するのか知っておく必要があります。
所得の種類 | 内容 | 所得金額の計算方法 |
利子所得 | 公債・社債・預貯金などの利子 | 収入金額=所得金額 |
配当所得 | 株式や出資の配当など | 収入金額-株式などの元本取得のために要した負債の利子 |
不動産所得 | 地代・家賃・権利金など | 収入金額-必要経費 |
事業所得 | 事業をしている場合に生じる所得 | 収入金額-必要経費 |
給与所得 | 事業をしている場合に生じる所得 | 収入金額-給与所得控除額又は特定支出控除額 |
退職所得 | 退職金・一時恩給など | (収入金額-退職所得控除額)×2分の1 |
山林所得 | 山林(立木)を売った場合に生じる所得 | 収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円) |
譲渡所得 | 土地・家屋などの資産を売った場合に生じる所得 | 収入金額-資産の取得価額等経費-特別控除額 |
一時所得 | 生命保険の一時金、満期返戻金など | 収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円) |
雑所得 | 公的年金など他の所得にあてはまらない所得 | 収入金額-必要経費 |
このように、所得は10種類あり、不労所得の種類によって計算方法が変わってきます。
また、収入が多いほど税額が高くなる傾向にあり、節税対策の方法についても検討するのがおすすめです。
税金に関することはむずかしいことも多いため、本業を行いながら、自分一人で計算や手続きを行うのは誤りやミスを発生させるリスクがあります。
故意でなくても、きちんと申告・納税を行わなければ追徴課税などのペナルティを科せられる可能性があるため、不安な場合は税理士などの専門家に相談しましょう。
副業で不労所得を得るときの注意点
副業で不労所得を得るためには、さまざまなことに注意しておく必要があります。
ここでは、副業で不労所得を得るうえで、注意すべきことを解説します。
短期的に大きなリターンを得るのはむずかしい
不労所得を安定して得られるようになるためには、長期的に取り組み続ける必要があります。
最初は月数百円〜数千円など、少しの利益しか発生しないケースも少なくありません。
とくに副業の場合、本業を継続しながら取り組む必要があり、時間が限られている分、成果を出すまでに時間がかかる傾向にあります。
「3ヶ月で不労所得で月10万円を達成しよう!」など、高い目標を立てると、現実とギャップが発生して挫折する可能性が高まります。
短期的に大きなリターンを期待するのはむずかしいと認識したうえで、焦らず、長期的な視点で計画を立てるようにしてください。
初期投資が必要なケースがある
不労所得を得るにはさまざまな方法がありますが、なかには初期投資が必要なものがあります。
たとえば、不動産投資やコインランドリー経営は、最初に高額な初期費用が発生します。
不動産投資やコインランドリー経営などは、金融機関から融資を受けて始めるケースが大半ですが、初期投資が高い分、失敗したときのダメージが大きいです。
一方で、不動産クラウドファンディングや投資信託などは、初期投資を抑えて始められるため、失敗したときの損失も抑えやすい方法です。
不労所得といってもさまざまな方法があるため、リスク許容度を加味して、自分に合った方法を選択しましょう。
常に勉強・情報収集する必要がある
副業で不労所得を得るためには、常に勉強・情報収集していく必要があります。
「不労所得」と聞くと、「何もしなくてもお金が入ってくる」というイメージが強いかもしれません。
しかし、利益が得られるように最初に仕組みを構築するときはもちろん、安定して稼いでいくためには、常に情報をアップデートしていく必要があります。
利益を再投資していく
不労所得で得られた利益の使い方は自由ですが、効率よく収益アップを目指すには再投資していくことをおすすめします。
再投資していくことで投資元本が増えるため、複利効果によって効率的に利益を増やせる可能性が高まります。
たとえば、不動産投資の場合、家賃収入で得た利益を新たな物件の購入費用とすることで、運用する物件数が増えて家賃収入アップや空室リスクの軽減が期待できます。
ただし、きちんと戦略を立てずに再投資するのは効率的ではないため、投資目標やリスク許容度に合わせて綿密に再投資の計画を立てましょう。
副業で不労所得を得るときのよくある質問
最後に、副業で不労所得を得る際のよくある質問を見ていきましょう。
不労所得を得ていることは会社にバレる?
結論として、副業で不労所得を得た場合は、会社にバレる可能性が高いといえます。
副業で不労所得を得ていることが会社にバレる最大の理由は住民税です。
まず、会社員は住民税を「特別徴収」という仕組みで納めるのが基本です。特別徴収とは、会社が住民税額を計算し、給料から天引きして納めることを指します。
そのため、会社は従業員一人ひとりの住民税額を把握しており、本業以外の収入があると住民税額の変動がきっかけでバレるのです。
住民税の徴収方法を「特別徴収」から納税者本人が納付書を使って納める「普通徴収」に切り替えると、バレる心配を軽減できます。
そのほか、SNSに副業のことを書き込んだり、信頼している周囲の人に話したりしてバレることもあるため注意しましょう。
不労所得だけで生活している人はいる?
不労所得だけで生活している人は一定数います。
しかし、不労所得だけで生活できるようになるまでに、さまざまな努力を積み重ねた結果であることがほとんどです。
また、不労所得だけで生活できれば、本業を続ける必要がなくなるため魅力的に感じる方も多いでしょう。
しかし、不労所得を安定して得られるとは言い切れないため、本業をやめるかどうかは慎重に判断することが大切です。
初期費用を抑えて始められる方法は?
初期費用を抑えて不労所得を得たい場合、ブログやYouTubeの広告収入、アフィリエイトなどがおすすめです。
ブログやSNSアカウントの開設はお金がかからないため、場合によっては無料で始められます。
しかし、初期費用を抑えて始められる方法は参入障壁が低い分、競合も多い傾向にあります。
実際に、収益化するまでにはかなりの時間がかかることも珍しくありません。
さらに、コンテンツを継続的に更新し続けなければならないといったデメリットもあります。
一方、不動産クラウドファンディングや投資信託は、無料ではありませんが、初期費用を抑えて始めやすい方法であり、なおかつ手間がかかりにくい方法です。
初期費用を抑えることに注目するのも大切ですが、不労所得を目指すうえで、どのくらいの労力がかかるのかについても考慮しておきましょう。
副業で月10万円を稼ぐのはむずかしい?
副業で月10万円を稼ぐことは可能です。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によると、副業をしている人のうち、「月10万円以上の収入がある」と回答したのは28.9%でした。
実際に副業を始めている人でも、毎月10万円以上稼いでいるのは全体の約3割であり、簡単に達成できる目標ではないことがわかります。
さらに、副業のなかでも不労所得で月10万円を達成することは、勤労所得で月10万円を稼ぐよりもハードルが高くなるため、さらに狭き門であるといえるでしょう。
まとめ
今回は、副業で不労所得を得るための方法を解説しました。
副業として安定した不労所得を稼ぐことは決して簡単ではありませんが、自分に合った方法を選択して、継続的に取り組めば達成できる可能性があります。
なお、初心者が少額で始める場合、「不動産クラウドファンディング」がおすすめです。
不動産投資の一種であり、少額から始められるうえに、運用や管理の手間がかからないため、副業で不労所得を目指すのに適しています。
不動産クラウドファンディングを始めるなら、首都圏の中古物件に特化したエキスパート集団が管理・運用する「不動産BANK」がおすすめです。年利6%というハイリターンでありながら、ローリスクの取引を実現しています。
ぜひ今回の記事を参考に、不動産クラウドファンディングをはじめとする方法で、副業で不労所得が得られる仕組み作りを進めてみてください。