投資コラム
投資で元本保証・元本割れしないものはない?リスクを抑えたおすすめの投資手法を解説
元本保証とは「預けたお金が減らないことを約束する仕組み」を指します。 たとえば、銀行預金は元本保証の代表例といえます。 元本保証は非常に魅力的な仕組みであるため、「投資で元本保証の商品を選べば、ノーリスクで稼げるのでは? […]
元本保証とは「預けたお金が減らないことを約束する仕組み」を指します。
たとえば、銀行預金は元本保証の代表例といえます。
元本保証は非常に魅力的な仕組みであるため、「投資で元本保証の商品を選べば、ノーリスクで稼げるのでは?」と考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、それは誤った認識です。
投資の世界において元本保証は存在せず、ノーリスクで利益を得ることは基本的に不可能です。
ただし、元本保証に近い商品に投資することで、ローリスクで資産を増やすことは可能です。
そこで本記事では、「ほぼ元本保証・元本割れしない」といえる投資方法をご紹介します。
また、ほぼ元本保証・元本割れしない金融商品への投資が向いている人の特徴や、少しリスクをとって積極的にリターンを狙う投資方法についても解説します。
- 元本保証の商品はある?投資するにはどうすればいい?
⇒ 投資の元本保証は違法。元本保証の商品はそもそも存在しない! - ほぼ元本保証・元本割れしないといえる、おすすめの投資方法は?
⇒ 債券や保険を活用した投資であれば、損失のリスクを最小限に抑えられる! - ほぼ元本保証・元本割れしない金融商品に投資するべきなのはどんな人?
⇒ まとまった資金があり、長期的な資産運用ができる人 - 元本保証とまではいえなくても、できるだけ低リスクで資産運用する方法は?
⇒ 不動産クラウドファンディングや投資信託などがおすすめ!
目次
元本保証とは?
まずは、元本保証の定義・仕組みについて詳しく解説します。
お金に関する基本的な知識なので、正しく理解しておくことが大切です。
元本保証とは「預けたお金が減らないことを約束する金融商品の仕組み」を指します。
具体例としては、銀行の普通預金や定期預金が挙げられます。
銀行預金に預けたお金(=元本)は、銀行が倒産するなど、よほどの事態が起きない限り減ることはありません。そのため、日々の生活費や、絶対に減らしてはならないお金については、元本保証のある銀行預金に預けることをおすすめします。
一方で、銀行預金は安全性が高い反面、収益性には期待できません。
また、インフレによる実質的な価値の低下というリスクもあるため、長期的な資産形成を考える際には、リスクとリターンのバランスを考慮し、投資にチャレンジすることも重要です。
投資の元本保証は違法!厳密にいうと存在しない
「元本保証の金融商品に投資すれば確実に稼げる!」と勘違いする人もいますが、投資の世界はそう簡単ではありません。
実際、投資の世界では出資法により元本保証の仕組みが厳しく規制されています。
(出資金の受入の制限)第一条何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。 |
(引用:出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律|e-Gov法令検索)
つまり、元本保証を謳う投資商品は法律上存在してはならないのです。
それにもかかわらず、「絶対に損しない」「必ず儲かる」などといった都合のよい言葉で出資を募る会社は、法律違反である可能性が非常に高いといえます。
このような甘い言葉に安易に乗ってしまうと、詐欺に遭い、大切なお金をだまし取られる危険性があります。十分に注意してください。
初心者必見!ほぼ元本保証に近い安心の投資手法6選
上述のとおり、投資の世界には厳密な意味での「元本保証」というものは存在しません。
しかし、「ほぼ元本保証・元本割れしない」と言える投資方法はいくつかあります。
以下に挙げる6つの方法について、それぞれの特徴や低リスクで運用できる仕組みを詳しく見ていきましょう。
1.個人向け国債
2.市場公募地方債
3.政府保証債
4.個人向け社債
5.学資保険
6.合同運用指定金銭信託
7.個人向け国債
※個人向け国債は、国が資金調達を目的として個人投資家向けに発行する債券のことです。
あらかじめ定められた満期まで債券を保有していれば、国が財政破綻しない限り元本がそのまま返還されます。
さらに、半年ごとに利子が支払われるため、ほとんどリスクを負わずに資産を増やすことが可能です。
また、個人向け国債は購入から1年経過すれば、中途換金も認められています。この場合、受け取れる利子は減少しますが、元本が減ることは原則としてありません。
個人向け国債のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
安全性が高い1万円から購入できる最低金利が保証されている半年ごとに利子が支払われる | 利回りが低い発行後1年間は換金できないインフレに弱い中途換金すると利益が減る |
なお、個人向け国債には、固定金利型の満期3年・5年タイプ、変動金利型の満期10年タイプがあるため、自身の運用方針に適したものを選択してください。
固定3年 | 固定5年 | 変動10年 | |
満期 | 3年 | 5年 | 10年 |
金利タイプ | 固定金利 | 変動金利 | |
適用金利 | 基準金利-0.03% | 基準金利-0.05% | 基準金利×0.66 |
金利の下限 | 0.05% | ||
最低購入価格 | 1万円 | ||
中途換金時の利子 | 直前2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれる |
市場公募地方債
市場公募地方債は、地方自治体が公共事業などの資金を調達するために発行する債券です。
この仕組みは、投資家が地方自治体にお金を貸し、その見返りとして利子を受け取る形式になっています。
また、個人向け国債と同様に、債券を満期まで保有すれば元本が確実に償還されるため、ほぼノーリスクで資産を運用することができます。
市場公募地方債には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
安全性が高い1万円から購入できる国債よりも高い利回りが期待できる地域貢献につながる半年ごとに利子が支払われる | 利回りが低い中途換金すると元本を下回ることがある流動性が低く、換金できないリスクがある |
市場公募地方債には、5年債や10年債、さらに10年以上保有する超長期債などがあります。
また、地方自治体によって発行条件が異なるため、各債券の特性を十分にリサーチし、投資対象を選ぶことが重要です。
政府保証債
政府保証債とは、政府関係機関や特殊法人などが事業資金の調達を目的として発行する債券で、政府が元金と利息の支払いを保証しているものです。
債券の保有者には定期的に利子が支払われ、満期まで保有すれば元本が返還される仕組みです。
万が一、発行体が債務不履行に陥った場合でも、政府が代わりに支払いを行うため、国債に次ぐ高い信用力を持っているといえます。
政府保証債のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
安全性を政府が保証している国債より利回りが高い比較的流動性が高い定期的に利子を受け取れる | 一般的な投資よりは利回りが低い中途換金すると元本を下回ることがある |
なお、政府保証債は一般的に証券会社や銀行などを通じて購入します。
ただし、政府保証債を取り扱っていない金融機関も多いため、購入を検討している方は、一度窓口に問い合わせてみることをおすすめします。
個人向け社債
個人向け社債は、企業が個人投資家から資金を調達するために発行する債券です。
公的機関が発行する債券と同様に、利子を受け取り、満期まで保有すれば元本が返還されるため、ほぼ元本保証といえます。
個人向け社債のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
公的機関が発行する債券より利回りが高い傾向にある定期的に利子収入を得られる企業の成長に貢献できる | 一般的な投資よりは利回りが低い企業倒産時の元本割れリスクがある購入機会が限定される途中換金すると元本割れすることがある |
なお、企業が倒産した場合には、元本が返済されないケースもあります。
そのため、個人向け社債の購入を検討する際は、発行企業の財務状況や格付けを確認することが重要です。
また、最低購入単位が100万円程度に設定されているケースが多いため、投資するにはある程度の資金力が求められます。
定額年金保険
定額年金保険は、契約時に設定された固定利率で運用される保険商品です。
一時払いまたは分割払いで保険料を支払い、満期まで契約時に定めた利率で運用されます。
満期まで解約せずに継続すれば、払い込んだ保険料を上回る年金を受け取ることが確約されています。
定額年金保険のメリットとデメリットとしては、次のような点が挙げられます。
メリット | デメリット |
安全性が高い将来の受取額が確定しているため、運用計画が立てやすい死亡保障があり、税制優遇も受けられる | 途中解約時の元本割れリスクがある契約時に初期費用がかかる場合がある |
外貨建ての定額年金保険を利用する場合、為替変動による損失リスクがある点に注意が必要です。
実際に運用されている通貨で元本を下回らないことは約束されていますが、円に換算したタイミングで損失が発生する可能性が残るため、為替リスクを考慮して投資判断を行うことが重要です。
合同運用指定金銭信託
合同運用指定金銭信託は、信託銀行が複数の顧客から預かった資金を一括して運用する商品です。
運用方法は約款で定められており、信託金額に応じて運用益が分配されます。
たとえ運用がうまくいかなかった場合でも、信託銀行が損失を補填するため、基本的に元本割れのリスクはありません。
また、合同運用指定金銭信託は預金保護制度の対象であり、万が一、信託銀行が破綻した場合でも、1,000万円までの信託金とその利息は確実に保護されます。
合同運用指定金銭信託のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
少額から信託できる預金保険制度が適用される安全性が高い | 利回りが低い原則として中途解約できない解約時に手数料が発生する実績配当型は元本割れの可能性がある |
合同運用指定金銭信託は、5,000円程度から始められるため、初心者でも比較的利用しやすい方法といえます。
なお、合同運用指定金銭信託には「一般口」と「実績配当型」の2種類があります。
一般口は安全性が高い一方、実績配当型は収益性が重視され、運用成果によっては元本割れのリスクもあるため、利用する際は注意が必要です。
元本保証の投資商品を選ぶメリットとは?
投資でほぼ元本保証・元本割れしない金融商品を選択するメリットは、次の3点が挙げられます。
1.損失のリスクを最小限に抑えられる
2.ほとんど手をかけずに運用できる
3.ストレスなく投資を続けられる
これらのメリットを正しく理解したうえで、自身の運用方針に合った金融商品を選ぶことが重要です。
次に、この3つのメリットについて詳しく説明します。
1.損失のリスクを最小限に抑えられる
投資でほぼ元本保証・元本割れしない金融商品を選ぶメリットの一つは、損失のリスクを最小限に抑えられることです。
投資の世界では、基本的にリスクを取りつつリターンを狙うのが一般的な考え方です。
その中で、損失のリスクがほとんどない商品を選択肢に加えることで、投資の幅が広がります。
たとえば、子どもの教育費や住宅ローンの頭金など、失ってはいけないお金はハイリスクな投資には回せません。
しかし、ほぼ元本保証の商品であれば、損失を心配することなく手持ちのお金を投資に回し、有効活用することができます。
ただし、リスクとリターンには比例関係があり、元本割れしない商品に投資しても、大きなリターンを期待することは難しい点に注意が必要です。
安定した運用を目指す場合、リターンは控えめであることを理解しておくことが重要です。
2.ほとんど手をかけずに運用できる
ほとんど手をかけずに運用できることも、投資でほぼ元本保証・元本割れしない金融商品を選ぶメリットの一つです。
ほぼ元本保証の商品には、国債や保険商品などが挙げられます。
これらの商品は、満期まで保有または契約を続けるだけで、利益を得ることができます。
市場の動向を細かくチェックしたり、頻繁に売買を行ったりする必要がないため、投資にかける時間がない人でも、無理なく続けられる点が魅力です。
また、固定金利型の個人向け国債のように、将来受け取れる額を事前に計算できるケースが多く、運用計画を立てやすい点も大きなメリットと言えます。
投資初心者にとっても安心して運用できる選択肢です。
3.ストレスなく投資を続けられる
投資でほぼ元本保証・元本割れしない金融商品を選べば、ストレスなく投資を続けることができます。
多くの人にとって、投資における最大のストレスは資金を失うことです。
特に初心者がハイリスクな商品に投資してしまうと、資産の変動に一喜一憂し、冷静な判断ができなくなることがあります。
また、心身にも大きな負荷がかかり、ストレスが溜まりやすくなります。
一方で、損失のリスクがないと理解していれば、ストレスを感じる瞬間がほとんどありません。
元本保証の商品であれば、投資中に不安を感じることなく、仕事や家庭生活に悪影響を及ぼす心配もなく、淡々と運用を続けることができます。
この安心感は、投資を続ける上で非常に大きな利点です。
元本保証の投資商品を選ぶデメリットは?
投資でほぼ元本保証・元本割れしない金融商品を選ぶ際のデメリットには、次の3点が挙げられます。
1.大きなリターンは期待できない
2.そもそもの選択肢が少ない
3.詐欺に遭う可能性がある
次に、この3つのメリットについて詳しく説明します。
1.大きなリターンは期待できない
投資の世界では、リスクとリターンは比例関係にあります。そのため、リスクを最小限に抑えた投資方法では、得られるリターンも控えめになるのが一般的です。
たとえば、投資全般で考えると、初心者でも比較的安全に運用しながら年間5%程度の利回りを狙えることがあります。しかし、元本保証型の商品では、こうした利回りを期待することは難しく、多くの場合、1~2%程度の低い利率に留まります。
実際に、個人向け国債はこれまでに何度も発行されていますが、年率が1%を超えたケースは非常に少なく、安全性を重視する分、リターンは限定的です。
このため、大きな利益を目指す投資家にとっては、元本保証の商品が選択肢として物足りなく感じられる場合もあるでしょう。運用目的や目標に応じて、どの程度のリスクを許容するかを慎重に考えることが重要です。
ローリスク・ローリターンを徹底することが、良い結果につながるケースもありますが、積極的に資産を増やしていきたい場合には不向きな投資スタイルといえるでしょう。
2.そもそもの選択肢が少ない
投資でほぼ元本保証・元本割れしない金融商品は、そもそもの選択肢が多くありません。
具体的には、個人向け国債、地方債、社債といった債券や、定額年金保険などの保険商品に限定される場合がほとんどです。そのため、幅広い商品に投資したいと考える人にとっては、選択肢の少なさが物足りなく感じられることもあるでしょう。
しかし、選択肢が限られていることは、投資先の選定に悩む必要がないという点で、初心者にとってはメリットにもなり得ます。リスクを抑えながら、安心して運用を始めたい人には、こうしたシンプルな商品群が適している場合もあるのです。
自身の投資スタイルや目標に応じて、少ない選択肢の中から最適な商品を見つけることが大切です。
3.詐欺に遭う可能性がある
投資でほぼ元本保証・元本割れしない金融商品を選択するデメリットのひとつは、詐欺に遭うリスクがあることです。
安全性を重視する投資初心者を狙った悪質な業者は後を絶ちません。
特に、「絶対に損しない」「必ず儲かる」といった謳い文句を掲げる投資商品は、基本的に詐欺と考えるべきです。上述のとおり、元本保証を明言することは法律で禁止されており、正規の金融商品ではあり得ません。
こうしたリスクを回避するためには、投資先を選ぶ際に事業者の信頼性を十分に確認することが重要です。たとえば、事業者が金融庁の登録を受けているか、過去にトラブルがなかったかなどを調査する必要があります。また、過度に高い利回りを提示する商品にも注意が必要です。
さらに、甘い誘惑に惑わされないよう、投資に関する基本的な知識を身につけることが大切です。知識を持つことで、怪しい商品を見抜き、安全な投資先を選べるようになります。
信頼できる情報源や専門家の助言を活用し、慎重に判断することを心がけましょう。
ほぼ元本保証・元本割れしない金融商品への投資が向いている人の特徴
ほぼ元本保証・元本割れしない金融商品への投資が向いている人の特徴としては、次の4点が挙げられます。
1.リスク許容度が低い人
2.長期的な資産運用ができる人
3.まとまった資金がある人
4,投資に時間をかけられない人
次に、この4点について詳しく説明します。
1.リスク許容度が低い人
リスク許容度が低い人には、ほぼ元本保証・元本割れしない金融商品への投資が適しています。
リスク許容度が低い場合、最も避けるべきは自分の許容範囲を超えたリスクを取ることです。
過度なリスクを負うと、精神的な負担が大きくなり、冷静な投資判断が難しくなるだけでなく、投資そのものが長続きしなくなる可能性もあります。
その点、ほぼ元本保証・元本割れしない金融商品であれば、短期的な市場の変動に左右されることなく、安心して運用を続けることができます。
これにより、ストレスを感じることなく計画的な資産運用が可能となり、タイミングを誤って資産を売却してしまうような失敗も防げるでしょう。
ただし、リスク許容度は固定的なものではなく、投資経験の蓄積や資金量の増加などによって変化していくものです。
そのため、定期的に自身のリスク許容度を見直し、少しずつリスクの高い商品にも挑戦していくことが重要です。
これにより、安全性を保ちながら収益性を高め、バランスの取れた資産運用が実現できます。
2.長期的な資産運用ができる人
長期的に資産運用ができる人には、ほぼ元本保証や元本割れのリスクが低い金融商品への投資が適しています。
こうした金融商品では、数日から数か月といった短期間で大きな利益を得ることは難しく、年単位の運用を通じて着実に資産を増やしていくのが基本的なスタイルとなります。
例えば、個人向け国債は最短で3年の保有期間が設定されています。
途中換金は可能ですが、1年以上保有することが条件となります。
さらに、元本保証に近い商品であっても、短期間で売却すると元本割れを招くリスクがあるため、注意が必要です。
3.まとまった資金がある人
まとまった資金を持っている人は、ほぼ元本保証や元本割れしにくい金融商品への投資を積極的に検討する価値があります。
これらの金融商品はリスクが低い反面、利回りも控えめに設定されています。そのため、限られた資金で投資を始めても、得られる利益はごくわずかです。
例えば、令和6年12月に募集された個人向け国債(固定3年)の利回りは0.6%でした。この場合、1万円を投資すると年間で増える金額はわずか「1万円×0.6%=600円」に過ぎません。
一方、まとまった資金を投資すれば、たとえ利回りが低くても、一定の利益を見込むことができます。
ただし、このような低リスク商品に投資する際は、長期間にわたって資金が拘束される点に注意が必要です。
予期せぬ投資機会を逃さないためにも、十分な資金を手元に残しておくことが重要です。
まとまった資金がある人も、ほぼ元本保証・元本割れしにくい金融商品への投資を積極的に検討してみてください。
4.投資に時間をかけられない人
投資にあまり時間をかけられない人にも、ほぼ元本保証や元本割れしにくい金融商品は適しています。
これらの商品は、頻繁に取引を行ったり、市場動向を細かく分析したりする必要がないためです。
例えば、債券を購入した場合、満期まで保有し続けるだけでよく、その間に利子を受け取ることができます。
満期が来れば、元本も返還されます。
そのため、普段仕事や家事で忙しい人でも、手間をかけずに資産運用を進めることができます。
比較的低リスクで資産運用できるおすすめの投資手法
ほぼ元本保証・元本割れしにくい金融商品への投資では、損失のリスクこそ抑えられているものの、大きな利益を狙うことはできません。
そのため、ある程度のリスクをとってでもリターンを狙っていきたい方には、次のような投資方法がおすすめです。
1.不動産クラウドファンディング
2.投資信託
3.ETF(上場投資信託)
4.REIT(不動産投資信託)
5.公社債投資信託
6.コモディティ投資
7.単元未満株
それぞれの投資方法のメリット、デメリットについて詳しく説明していきます。
1.不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは、複数の投資家からオンライン上で資金を集め、事業者が不動産の運用をおこなう仕組みのことです。
投資家は出資額に応じて、運用益の一部を受け取ることができます。
不動産クラウドファンディングが低リスクといえる理由のひとつは、自身に代わって事業者が運用をおこなってくれる点です。
豊富なノウハウをもった事業者が不動産を選定・取得し、運用していくため、投資家自身に知識や経験がなくても、安定した利益を狙うことができます。
また、不動産クラウドファンディングでは、優先劣後方式が採用されている点も特徴のひとつです。
損失が生じた場合には、まず事業者の出資分から補填されるため、投資家の出資分は最後まで守られることになります。
不動産クラウドファンディングのメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
1万円程度の少額から投資できる運用を専門家に任せられる投資家の資金を守る仕組みがある価格変動の影響を受けない | 換金性・流動性が低い事業者の倒産リスクがある |
不動産クラウドファンディングサービスは複数ありますが、なかでも不動産BANKがおすすめです。
不動産BANKでは、利益が出やすい首都圏の中古物件を取り扱っており、年6%の高利回りを安定的に実現しています。
随時、新たなファンドが立ち上がっているため、気になる方は公式サイトをチェックしてみてください。
2.投資信託
投資信託は、複数の投資家から集めた資金をひとつにまとめ、専門家が運用する金融商品です。
投資家には、投資信託の保有額に応じて分配金が付与されます。
投資信託が低リスクといえる理由は、簡単に分散投資ができるためです。
投資信託の各銘柄は複数の投資対象で構成されており、ひとつの銘柄を購入するだけで、自動的に資産を分散させることができます。
また、証券会社によっては100円からでも購入できるため、少額で投資していれば、損失も最小限に抑えることが可能です。
投資信託のメリットとデメリットとしては、次の点が挙げられます。
メリット | デメリット |
少額から投資できる専門家による運用がおこなわれる自動的に分散投資ができる | タイムリーな売買ができない運用コストがかかる |
もともと低リスクな投資信託ですが、信託報酬が低い銘柄を選ぶことでさらなるリスクヘッジができます。
信託報酬とは、専門家に運用を任せるための手数料であり、投資信託を保有している限り、純資産総額に対して年率0.5%~2.5%程度を支払い続けなければなりません。
投資信託は長期的な運用が基本となり、信託報酬が数%違うだけで資産の増え方が大きく変わるため、できるだけ年率が低い銘柄を選びましょう。
3.ETF(上場投資信託)
ETFは、証券取引所に上場している投資信託のことです。
基本的には、日経平均株価や東証株価指数などの特定指標に連動するような運用がおこなわれます。
通常の投資信託と同様に、ETFの各銘柄は複数の投資先で構成されているため、自動的に分散投資できる点がメリットといえるでしょう。
また、ETFは取引コストが低いことも、損失リスクの軽減に役立っています。
ETFのメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
投資コストが低いリアルタイムで取引できる事業者に運用を任せられる | 銘柄数が少ない一部の銘柄は流動性に乏しい分配金の自動再投資ができない |
なお、ETFは上場しているため、取引所が開いている時間であればいつでもリアルタイムで売買できます。
損失が出そうなときに、素早く手放すことができるのも、低リスクといえる理由のひとつです。
4.REIT(不動産投資信託)
REITは、投資対象を不動産に特化させた投資信託のことです。
通常の投資信託では株式や債券など幅広い商品を投資対象としますが、REITで扱うのは原則として不動産に限定されます。
現物の不動産投資では多額の借金を背負うリスクがありますが、REITなら1万円程度で購入できるため、不動産に興味がある方には特におすすめです。
REITのメリット・デメリットとしては、主に次のような点が挙げられます。
メリット | デメリット |
少額で不動産に投資できる専門家による運用で安定した利益が期待できる比較的利回りが高い | 金利変動や災害などの影響を受けやすい現物不動産投資のような節税効果はない |
REITに投資する最大のメリットは、高い利回りが期待できる点にあります。
REITには、運用益の9割以上を分配金に充てた事業者が税制優遇される仕組みがあるため、投資家に対する利益の還元が積極的におこなわれているのです。
5.公社債投資信託
公社債投資信託は、国債・地方債・社債などの債券を投資対象とした金融商品です。
株式を含まず、安全性の高い公社債を中心に運用することで、損失リスクが大幅に抑えられています。
公社債投資信託のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
安定した収益が期待できる元本割れリスクが小さい少額で分散投資できる | リターンが比較的小さい金利変動リスクがあるインフレに弱い |
公社債投資信託はリスクが抑えられた金融商品ですが、元本保証があるわけではありません。
一般的に金利が上昇すると債券価格は下落する傾向があり、同時に公社債投資信託の価格も下がるため、売買のタイミング次第では損失が生じる可能性もあります。
6.コモディティ投資
コモディティ投資は、金・銀などの貴金属、原油などのエネルギー資源、小麦・コーヒー豆などの農産物といった実物資産に投資する方法です。
コモディティ投資で扱う実物資産の特徴は、株式や債券とは異なる値動きをする点にあります。
つまり、株式や債券とあわせて実物資産をポートフォリオのひとつに入れておけば、分散投資の効果が高まり、より効率的にリスクヘッジをおこなうことが可能です。
また、実物資産は物価上昇とともに価格が上がる傾向にあるため、インフレ対策にもなります。
コモディティ投資のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
分散投資がしやすいインフレに強い | 価格変動が読みにくい為替リスクがある定期収入を得られない |
なお、コモディティ投資をおこなう際には、現物を購入する、関連産業の会社の株式を購入する、実物資産を扱う投資信託を購入するなど、さまざまな方法が考えられます。
とはいえ、エネルギー資源や農産物を現物保有するのは現実的ではなく、株式の将来性を分析することも容易ではないため、初心者の方はまず投資信託から始めてみるのがおすすめです。
7.単元未満株
単元未満株は、企業が定めた最低取引単位(単元株)に満たない株式のことです。
通常、株式は100株単位で取引されるため、ある程度まとまった資金がなければ購入することができません。
たとえば、1株1万円の株式を購入するには、100万円の資金が必要です。
しかし、一般的な単元未満株は1株単位で購入できるため、少額でリスクを抑えながら、株式投資にチャレンジすることができます。
単元未満株のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
少額で株式投資ができる分散投資がしやすい配当金や株主優待を受けられる場合がある | 取引できる証券会社や銘柄が限られるリアルタイムで取引できない手数料が割高になりやすいリターンが小さい |
単元未満株に投資する場合、所有する株式の数が少なくなるため、その分得られるリターンも小さくなります。
また、売買に手間がかかったり、手数料が割高になったりとさまざまなデメリットがあるのも事実です。
そのため、単元未満株で株式の知識を身につけ、資金にも余裕ができた段階で、通常の株式投資にも積極的にチャレンジしてみると良いでしょう。
<それぞれの投資の種類のメリットとデメリットまとめ>
比較検討する際に、ぜひこちらの一覧をご活用ください。
投資の種類 | メリット | デメリット |
不動産クラウドファンディング | 1万円程度の少額から投資できる運用を専門家に任せられる投資家の資金を守る仕組みがある価格変動の影響を受けない | 換金性・流動性が低い事業者の倒産リスクがある |
投資信託 | 少額から投資できる専門家による運用がおこなわれる自動的に分散投資ができる | タイムリーな売買ができない運用コストがかかる |
ETF(上場投資信託) | 投資コストが低いリアルタイムで取引できる事業者に運用を任せられる | 銘柄数が少ない一部の銘柄は流動性に乏しい分配金の自動再投資ができない |
REIT(不動産投資信託) | 少額で不動産に投資できる専門家による運用で安定した利益が期待できる比較的利回りが高い | 金利変動や災害などの影響を受けやすい現物不動産投資のような節税効果はない |
公社債投資信託 | 安定した収益が期待できる元本割れリスクが小さい少額で分散投資できる | リターンが比較的小さい金利変動リスクがあるインフレに弱い |
コモディティ投資 | 分散投資がしやすいインフレに強い | 価格変動が読みにくい為替リスクがある定期収入を得られない |
単元未満株 | 少額で株式投資ができる分散投資がしやすい配当金や株主優待を受けられる場合がある | 取引できる証券会社や銘柄が限られるリアルタイムで取引できない手数料が割高になりやすいリターンが小さい |
まとめ
元本保証や元本割れしない投資商品は存在しません。
もし「元本保証」を謳っている投資商品があれば、それは詐欺である可能性が高いと考えておいた方がよいでしょう。
とはいえ、債券や年金保険などは、ほぼ元本保証と言える投資商品です。リスクをできるだけ抑えて資産運用をしたい方にとっては、有効な選択肢となります。
ただし、元本保証に近い商品はリスクが低い反面、リターンも小さくなります。その点を理解して、上手に活用しましょう。
せっかく投資を始めるのであれば、少しリスクを取って、積極的にリターンを狙える投資手法に挑戦してみるのも良いかもしれません。
低リスクで取り組める投資手法はいくつかありますが、なかでも不動産クラウドファンディングがおすすめです。
少額投資が可能で、運用もプロの事業者に任せられるため、初心者の方でも安定した利益が狙えます。
また、多くのクラウドファンディングサービスで、投資家の元本が守られる「優先劣後方式」が採用されている点も魅力のひとつといえるでしょう。
少しでも不動産クラウドファンディングに興味がある方は、ぜひ不動産BANKを利用してみてください。
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人気のファンドはすぐに募集が締め切られるケースも多いため、すぐに応募できるように、まずは会員登録だけでも済ませてみてはいかがでしょうか。