40代から資産運用におすすめのポートフォリオや投資信託がおすすめの理由、ポートフォリオの組み方を紹介します。
40代は、老後に向けて本格的に資産形成を始めるべき重要な時期です。しかし、多くの方がどのように資産運用を始めればよいか、具体的なポートフォリオの構築方法に悩まれていることでしょう。
本記事では、40代からの資産運用におすすめのポートフォリオや投資信託がおすすめの理由、ポートフォリオの組み方を紹介します。
目次
40代から資産運用におすすめのポートフォリオ
40代からの資産運用におすすめのポートフォリオは、現金・預貯金と投資信託を組み合わせたシンプルな構成です。シンプルなポートフォリオから始めれば管理がしやすく、プロに運用を任せられる投資信託なら経験が少ない方でも資産運用を続けやすいでしょう。
また、資産配分の目安として「リスク資産の割合は100-年齢」という考え方があります。つまり40歳であれば、現金または預貯金40%、投資信託60%が目安です。年齢に応じた資産配分を行うことで、安定と成長を両立させた資産運用を目指せます。
上記を踏まえて、おすすめのポートフォリオを紹介します。
40代におすすめのポートフォリオ例
- 現金・預貯金:40%
- 投資信託 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)など:60%
投資信託の運用商品は、世界中の株式に分散投資が可能な全世界株式インデックスファンドを基本にするとよいでしょう。特定の地域や業種に偏ることなく、世界経済全体の成長を取り込めるのはもちろん、ひとつの商品をメインにしてシンプルなポートフォリオにすればこまめなリバランス(割合が上がった資産を売り、下がった資産を買うこと)が不要になるため運用に手間がかかりません。
ただし、上記はあくまでもひとつの例であり、資産状況や家族構成、運用期間などによって適切なポートフォリオは変わってきます。そのときの状況に応じて柔軟に調整しましょう。
40代の資産運用に投資信託がおすすめの理由
40代の資産運用では、将来への備えと現在の生活のバランスを取りながら、賢く資産を増やしていくことが求められます。投資信託は、そのための適切な選択肢のひとつです。
ここでは、投資信託が40代の資産運用におすすめな理由を5つ紹介します。
- 小額から積立投資ができる
- 分散投資ができる
- 運用中の手間がかからない
- 長期的な視点で資産運用できる
- iDeCoやNISAなど非課税制度が活用できる
小額から積立投資ができる
投資信託の最大の魅力は、小額からでも積立投資が始められる点です。月々数千円からの投資が可能であり、大きな初期投資が難しい方でも気軽に資産運用をスタートできます。
子どもの教育費や住宅ローンの返済等で手元の資金が限られている40代の方でも、無理なく資産運用ができる点は大きなメリットといえます。
分散投資ができる
手間なく分散投資ができる点も投資信託のメリットです。分散投資とは、リスクを減らすために、投資対象やタイミングを複数に分けて投資する手法のことです。
ひとつの銘柄にすべての余剰資金を投資すると、その銘柄が暴落したときに大きな損失を被ることになるでしょう。しかし、投資信託ではひとつの商品で、多様な企業や国に投資できるため、リスク分散が可能です。
たとえば、投資信託の人気銘柄である「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」では、この商品だけで全世界約50か国の株式に分散投資ができるため、特定の国や地域の経済状況の影響を受けるリスクを軽減できます。
安定した資産運用を目指すうえで、分散投資ができる点は大きな魅力といえるでしょう。
運用中の手間がかからない
運用中に手間がほとんどかからない点も、投資信託が40代の資産運用に適している理由のひとつです。
個別株式投資などは時間と知識を要しますが、投資信託ではプロのファンドマネージャーが運用するため、投資家は日々の市場動向を細かくチェックする必要がありません。
また、積立投資を設定しておけば、定期的に自動で購入が行われるため、仕事や育児に忙しい40代でも手間をかけずに資産運用を続けられます。時間や労力をかけずにほったらかしで資産運用を行いたい方にも、投資信託は非常に適した選択肢といえます。
長期的な視点で資産運用できる
老後資金を賢く準備するためには、定年退職までの期間を最大限に活用して資産形成を行う必要があります。定年が65歳だとすると40歳の方でも25年の準備期間があるため、長期運用に向いている投資信託を始めれば、十分に老後資金を用意できるでしょう。
たとえば、40歳から毎月5万円を20年間積み立てて年率5%で運用した場合、合計金額は約2,055万円です。さらに運用期間を5年長くすると、約2,977万円にまで増えるため、より多くの老後資金を確保できます。
投資を早く始めるほど、複利効果(運用で得た利益を再投資することで利息が利息を生み資産が増えていく効果)を享受できるため、資産を増やせるチャンスが大きくなります。
時間を味方につけ、着実に資産を増やすことができれば、安心した老後を迎えられるはずです。
iDeCoやNISAなど非課税制度が活用できる
投資信託は、iDeCoやNISAなどの非課税制度との相性もよいです。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、iDeCoやNISAなどの制度を活用すれば、非課税で運用益が得られます。資産運用をするなら、iDeCoやNISAの活用がマストといえるでしょう。
ここでは、iDeCoとNISAの特徴をそれぞれ簡単に解説します。
iDeCo(個人型確定拠出年金):運用益が非課税・掛金が全額所得控除
iDeCoは、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せできる私的年金制度です。老後資金づくりとして長期運用が前提となっているため、投資信託の商品を選ぶ方が多い傾向があります。
iDeCoのメリットは運用益が非課税になることと、掛金が全額所得控除の対象になるため節税を期待できることです。また、受取時にも税制優遇を受けられます。
掛金は、月々5,000円から1,000円単位で自由に設定可能です。原則60歳になるまで資産を引き出せないため、その点を考慮して掛金を設定しましょう。
なお掛金の上限は、下記の通り職業や企業型DC(企業型確定拠出年金)の有無などによって異なります。
【iDeCoの掛金上限(月額)】
- 自営業者:6万8,000円
- 企業年金がない会社員:2万3,000円
- 企業型DCのみに加入している会社員:2万円
- 上記以外の会社員・公務員:1万2,000円
- 専業主婦・主夫など:2万3,000円
NISA(少額投資非課税制度):運用益が非課税・いつでも売却が可能
NISAは、個人投資家のための税制優遇制度です。運用益が非課税になるほか、少額から積み立てられる点が特徴です。また、iDeCoと違っていつでも売却できるため、柔軟に活用しやすい点もメリットといえるでしょう。
2024年1月から新しいNISAがスタートしており、非課税保有期間の無期限化や年間投資上限額の拡大など、制度が大幅にパワーアップしています。新NISAの概要については、以下を参考にしてください。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
非課税保有期間 | 無期限化 | |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
投資対象商品 | 投資信託のみ | 上場株式・投資信託など |
非課税保有限度枠(総数) | 1,800万円※うち成長投資枠は1,200万円 | |
売却可能時期 | いつでも可能 |
参考:NISAとは|金融庁
新NISAには、積立投資ができる「つみたて投資枠」と一括投資・積立投資が選べる「成長投資枠」の2つの枠があります。(併用可)
そのうち、「つみたて投資枠」の対象商品は、金融庁の定めた基準を満たした一定の投資信託(ETFを含む)のみです。長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されているため、初心者の方でも選びやすいでしょう。
40代からの資産運用 ポートフォリオの組み方
リスク資産の割合は「100-年齢」とお伝えしましたが、これはあくまでも目安です。適切な資産配分は、年齢や家族構成、年収・資産状況、性格などによっても大きく変わってきます。
そのため、いざ資産運用を始めようと思っても「何から始めればよいのかわからない」「自分に合った方法が知りたい」と思う方もいるでしょう。
ここでは、ポートフォリオの組み方について基本的な考え方を3ステップで解説します。
1.資産運用の目的や目標金額を決める
2.生活費と使う予定のある現金を確保する
3.リスク許容度に合わせて金融商品を選ぶ
1.資産運用の目的や目標金額を決める
資産運用を始める際は、まず目的や目標金額を明確にしましょう。目的は「子どもの大学進学費用を準備する」「住宅ローンを5年早く返済する」「55歳でセミリタイアする」など、できるだけ具体的に設定することが大切です。資産運用の目的がはっきりしていると、投資に対するモチベーションの維持や運用方針の決定に役立ちます。
何のためにいつまでにいくら必要なのかを設定することで、具体的な投資戦略を立てやすくなります。目的と金額の設定は、ポートフォリオを組む際の重要な第一歩です。
2.生活費と使う予定のある現金・預貯金を確保する
続いて、日々の生活費や近い将来の出費に備えた現金・預貯金を確保しましょう。
生活費は、生活防衛金として3〜6ヶ月分を確保しておくと、いざというときの備えになります。また、住宅ローンの頭金や子どもの学費、家具家電の買い替えなど、5年以内に使う予定のあるお金も確保しておくと安心です。
必要な生活費と使う予定のある現金を確保し、残った資金(余剰資金)を資産運用に回しましょう。
3.リスク許容度に合わせて金融商品を選ぶ
運用に回せる余剰資金を把握できたら、リスク許容度に応じて商品を選択します。
リスク許容度とは、投資においてどの程度の損失を受け入れられるかを表す指標のことです。資産運用を継続していくためには、リスク許容度に合った商品を選択する必要があります。
リスク許容度を考えるポイントは、以下の通りです。
年齢(運用期間) | 若いほど長期間の投資が可能であり、市場の変動に対応する時間が長いため、リスク許容度は高い傾向 |
家族構成 | 独身や夫婦のみの世帯では、投資に回せる資金が多く、リスク許容度は高い傾向 |
年収・資産状況 | 年収が多い人やすでに多くの資産を持っている人は、リスク許容度は高い傾向 |
投資経験 | 投資経験が豊富な人は、市場の変動やリスク管理に慣れているため、リスク許容度は高い傾向 |
性格 | 資産が目減りするのに抵抗がある方はリスク許容度が低い傾向 |
たとえば、子育てや住宅購入などで投資に回せる資金が少ない方は、現金・預貯金の割合を高めにしておくとよいでしょう。また、株式型の投資信託ではなく、債券やリート(不動産)が組み込まれたバランスファンドを選択するのもひとつの方法です。
一方、40代後半の方でも定年以降も働く予定があり、運用期間を長くとれる方はリスク資産の割合を増やしてもよいかもしれません。
このように自身のリスク許容度を把握した上で、ポートフォリオを考えてみてください。
リスクを抑えたい方は債券や不動産を組み込むのもおすすめ
リスクを抑えつつ資産運用をしたいと考えるなら、債券や不動産投資などをポートフォリオに組み込んでもよいでしょう。性質の異なる資産に投資することで、それぞれの資産の下落リスクをカバーするのに役立ちます。
債券は一定期間後に元本が返還され、運用期間中は利息を得られる金融商品です。国や地方自治体・信用力のある企業が発行する債券は、元本割れが生じるリスクが少なく、株式とは異なる値動きをするため、資産全体の価値が下落するリスクを低減できます。
また、ミドルリスク・ミドルリターンとされる不動産投資もポートフォリオに組み込みたい資産のひとつです。現物の不動産に対する投資は、景気や市場の状況に左右されにくく、比較的安定した収益を得られる特徴があります。
自分で物件を購入して運用するのはハードルが高いという方には、不動産クラウドファンディングがおすすめです。不動産クラウドファンディングは、インターネット上で投資家から資金を集めて不動産事業を行い、その利益を分配する投資方法です。
1万円からの投資が可能で、不動産の管理や運用はすべて事業者に任せられるため、初心者の方でも不動産投資に参加できます。不動産をポートフォリオに組み込む際の選択肢として参考にしてください。
まとめ
40代でこれから資産運用を始める方には、現金・預貯金と投資信託(全世界株式インデックスファンド)のシンプルなポートフォリオがおすすめです。
投資信託であれば、ひとつの商品で分散投資ができるだけでなく、リバランスもプロが行ってくれるため手間がかかりません。さらに、iDeCoやNISAなどの非課税制度をうまく活用すれば、効率的な資産形成が可能になります。
よりリスクを分散しつつ安定したリターンを目指す方には、株式とは異なる性質をもつ資産への投資も検討しましょう。不動産クラウドファンディングであれば、1口1万円から投資できるため、手軽に不動産をポートフォリオに組み込めます。
不動産クラウドファンディングが気になる方は、中古アパート販売実績全国No.1のファミリーコーポレーションが運営する「不動産BANK」がおすすめです。6%以上と高利回りの案件が多数ラインナップされているため、ぜひ現在募集中のファンドをチェックしてみてください。
40代は、資産運用を始めるのに十分な時間があります。今回紹介したポイントを参考に、時間を味方につけて着実に資産を増やしていきましょう。