投資のハナシ

資産運用にまつわる情報発信サイト

記事を検索する

閉じる

投資知識

IRR(内部収益率)ってなに?計算方法や不動産投資への活用方法も紹介

IRRの意味や仕組み、使い方を理解することでさまざまな投資で活かせて収益を出しやすくなります。 この記事では、IRRの仕組みや計算方法、メリットやデメリットについて解説します。

「IRRってどういう意味?」「投資との関係性は?」現在投資をしている方やこれから始めようとしている方でこのような疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。

IRRの意味や仕組み、使い方を理解することでさまざまな投資で活かせて収益を出しやすくなります。

この記事では、IRRの仕組みや計算方法、メリットやデメリットについて解説します。

お悩みの方はぜひ参考にご覧ください。

IRRとは

IRR(Internal Rate Of Return)とは、日本語で内部収益率といい、「投資に使った支出額の現在価値と投資により得られる将来的な現在価値の総和が等しくなる割引率」を意味します。

例えば、100万円の投資をして年利5%の金利によって1年後に105万円として手元に返ってきたとしましょう。これは100万円を運用することで105万円に増やすことができ、投資開始時の100万円と1年後の100万円の価値が異なるということです。言い換えると、「年利5%で運用する」という前提があることで、投資開始の100万円と1年後の105万円が同じ価値となります。

この「現在の価値」と「将来的な価値」が等しくなる割引率が、IRRです。投資額を回収できる期間を考慮したうえで、将来価値を現在価値に換算して投資の収益性や効率性を測ることができます。

また、お金は現在の価値が最も高く、将来的なお金の価値は景気の影響などの不確定要素により下がりやすいです。さらに、お金は再投資で増やすことも可能なため、早期回収できればその分利益につながりやすくなります。結果的に投資額と同じ金額を回収する場合でも、利益を得られる期間が短ければ短いほど、IRRは高くなります。

IRRの計算方法

IRRの意味についてお伝えしましたが、ここでは実際の計算方法をご紹介します。

IRRの計算式は以下のとおりです。

参照:https://www.propertyagent.co.jp/contents/pro/first/5253

先述した例で改めてみてみましょう。100万円の投資で金利5%で5年間運用したとします。金利5%ということは1年後には105万円で返ってくるため、金額は増えることになります。しかし、価値自体は同じとして考えるため、この場合の割引率は5%です。

計算式に充てると、現在価値=「105万円(毎年のキャッシュフロー)」÷「1+5%」となり、現在価値は100万円となります。

また、2年目以降も含めた計算方法は以下のとおりです。

参照:不動産投資TIMES

2年、3年と投資期間が続く場合は活用しましょう。

IRRをExcelで求めることが可能

IRRの計算式をご紹介しましたが、Excelで求めることもできます。

①例:初期投資額100万円の場合

②「年」と「収益」でそれぞれ数字を入力しましょう。

③IRRの関数を入れましょう。

関数はタブの「関数」から挿入できます。

挿入したら選択範囲は各年の収益を選択しましょう。

④IRRの数値が算出されます。

今回の例では、IRRは9%となりました。このように、自分で計算しなくても数値さえ入力すれば簡単にIRRを求められます。

IRRのメリットとデメリット

IRRの求め方をお伝えしましたが、実際に活用するうえでのメリットとデメリットを解説します。

利用前に確認しておきましょう。

IRRのメリット

IRRのメリットは以下のとおりです。

  • 時間の概念を含めて求められる
  • キャッシュフローが変動しても投資案件を評価できる

時間の概念を含めて求められる

IRRには時間の概念があり、投資によって得られる金額が投資時と同じであっても、早期に回収できる方がIRRとしては高く評価されます。前述しているとおり、現在の100万円と1年後の100万円の価値は異なり、現在の方が価値は高いです。これは現在の100万円の方が投資によって増やせる幅が大きいためです。

このように、ただ金額を求めるのではなく、時間を含めた価値を求められるのがIRRの特徴です。

キャッシュフローが変動しても投資案件を評価できる

投資方法によっては毎年のキャッシュフローにバラつきがある場合があります。IRRならキャッシュフローが変動しても収益性を測ることが可能です。

特に不動産投資の収支は、空室状況や建物の修繕やリフォーム費用などで変動しやすいです。そんなときにIRRを活用することで総合的に投資案件を評価することができます。

IRRのデメリット

IRRのデメリットは以下のとおりです。

  • 収益額を考慮できない
  • 計算できないケースがある

収益額を考慮できない

IRRは収益率を測る指標でありますが、最終的な収益額までは算出できません。どれだけ効率よく収益を回収できるかを算出しているためです。

以下の表は投資額が異なる2つの投資のIRRを求めたものです。

投資Aの方が収益額は大きいですがIRRは低く、反対に投資Bの方が収益額は少ないですがIRRは高くなっています。つまり、投資Aの方が最終的に大きな利益を出せますが、IRRに注目すれば投資Bの方が収益性のよい投資といえます。

投資をする以上、いくらの利益が出るのかが気になるかと思われますが、収益額を知りたいのであればIRRは適さないといえます。

なお、少額投資や投資制約がある場合などは、いかに効率よく回収できるかが重要なのでIRRは有効です。

計算できないケースがある

以下の表は毎年のキャッシュフローがマイナスで総収益額もマイナスだったケースです。

総収益額がマイナスだとIRRは算出されません。IRRは投資金額の現在価値と将来得られる金額の現在価値の総和がゼロになる計算式のため、収益の総和がマイナスになるケースではIRRは求められません。これらのことを理解したうえで活用しましょう。

不動産投資でのIRR活用法

ここまでIRRの意味や使い方、計算方法などをお伝えしました。

ここでは、実際に不動産投資でIRRを活用する方法をご紹介します。

投資期間全体を通した収益性を算出する

IRRは初期投資額、保有期間中の収益、売却価格の3つの要素を含めて算出しています。IRRを算出する際はこれら3つの要素をしっかりと把握することが重要です。

つい、最終的な利益を見てしまいますが、IRRを活用するのであればいかに効率よく回収できるかを見るようにしましょう。

IRRをもとに収益性の高い不動産を選ぶ

投資先の不動産を選ぶ際は、収益性の高さを基準にしましょう。前述しているとおり、IRRは収益額ではなく、収益率(収益性)を求めるために活用します。

そのため、IRRを活用する際は長期的に利益を得られる不動産よりも早期に投資額を回収できる収益性の高い不動産を選ぶようにしましょう。

収益性の高い不動産は以下のとおりです。

  • 早期にプラスのキャッシュフローを得られる不動産
  • 資産価値が下がりにくい不動産
  • 融資を受けやすい不動産

まとめ

IRRとは、投資に使ったお金の現在価値と将来得られる利益の現在価値を等しくなるように求める割引率のことです。投資とは、投資に投資を重ねて徐々に得られる金額を大きくしていきます。しかし、投資額の回収が遅ければその分だけ投資の効率性が悪くなります。

つまり、お金は現在の価値が最も高く、時間の経過とともに価値が落ちるということです。IRRでは最終的な利益額を算出するのではなく収益性を算出するため、投資した案件でどれだけ効率よく投資額を回収できるかがわかるようになります。これから投資を始めようと思っている方はIRRを活用してみましょう。

投資が初めての方には、株式会社ファミリーコーポレーションが運営している不動産クラウドファンディング「不動産BANK」がおすすめです。1口1万円から投資可能で、銀行預金にお金を預けるような感覚で利用できるので初心者の方でも安心して利用できます。

Ranking