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不動産投資

ワンルームマンション投資は儲からないのか?メリットとリスクをあわせて解説

ワンルームマンション投資はなぜ儲からないといわれるのか、メリットやリスク、よくある失敗例などを詳しく解説します。

マンションやアパートを一棟購入する不動産投資は、莫大な初期費用がかかるため個人ではなかなか手が付けられませんが、ワンルームマンション投資なら手頃な価格から不動産投資を始められます。

しかし、ワンルームマンション投資は「儲からない」といわれることも多く、実際のところはどうなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、ワンルームマンション投資はなぜ儲からないといわれるのか、メリットやリスク、よくある失敗例などを詳しく解説します。

ワンルームマンション投資とは?

ワンルームマンション投資とは、分譲マンションを一室単位で購入し、購入した不動産を賃貸物件として貸し出す、もしくは購入価格よりも高く売ることで収益を得る投資方法です。

家賃収入を得る「インカムゲイン」と、保有不動産を売却して利益を得る「キャピタルゲイン」という二つの利益の出し方がありますが、多くの方がインカムゲインを得ることを目的に投資をしています。

なお、ワンルームマンションは金融機関から融資を受けて購入するケースが多いですが、毎月の返済額よりも高い家賃を設定することで、差額が利益となります。また、融資の返済が終われば、毎月の家賃収入のほとんどを利益にできることも魅力です。

たとえば、2,000万円のワンルームマンションを購入したことを想定してシミュレーションしてみましょう。

【シミュレーション】

・条件

物件価格:2,000万円

月額賃料:9万円/月(108万円/年)

購入時諸費用:100万円(物件価格の5%と仮定)

年間経費:9万6,000円(家賃収入の10%と仮定)

・借入

借入額:2,000万円

金利:2.0%

月間返済額:7万3,000円/月(87万6,000円/年)

返済方法:元利均等返済

返済期間:30年

・年間キャッシュフロー

108万円-(87万6,000円+9万6,000円)=10万8,000円

このように、年間の利益が10万円程度になり、さらに借入金の返済30年を過ぎると、返済後は家賃収入がそのまま手に入ります。

もちろん、途中で売却して利益を得るキャピタルゲインを目的に運用する方法もあり、投資の目的や購入物件の価値に合わせて、運用方法を自由に選択できます。

ワンルームマンション投資が儲からないといわれる理由

ワンルームマンション投資に興味を持って調べていると、インターネットや書籍で「ワンルームマンション投資は儲からない」と書かれているのを目にすることがあるでしょう。

実際に、ワンルームマンション投資は初心者向けといわれることが多いですが、決して簡単ではなく、難易度の高い投資方法であることは事実です。ただし、儲からないとされる理由を見ていくと、極端な意見であったり、記事や書籍に興味を持ってもらうためのポジショントークであったりするケースも少なくないため、理由をしっかりと確認することが大切です。

では、なぜワンルームマンション投資が儲からないといわれるのか、理由を見ていきましょう。

利回りが低く、収支がマイナスになりやすい

ワンルームマンション投資が儲からないといわれる理由の一つは、一棟所有の不動産投資に比べると利回りが低く、収支がマイナスになりやすいからです。

ワンルームマンションと一棟アパートを所有した場合を比較してみましょう。

都心ワンルームマンション(中古)都心一棟アパート(中古)
総投資額2,000万円8,000万円
表面利回り4~5%6~8%
年間収入(想定)80~100万円480~640万円
空室率10%前後30%前後
空室時の収入0円28~37万円

ワンルームマンション投資は表面利回りが4〜5%程度、高くて8%ほどです。都心の中古ワンルームマンションを2,000万円で購入すると年間収入が80万〜100万円、ひと月当たり6.6万〜8.3万円の収入となりますが、そこから融資を返済しなければなりません。

仮に2,000万円の物件を購入する場合、頭金300万円を支払い、1,700万円に対して金利2%の融資を受けると、35年返済で5.6万円が月々の支払いとなります。常に満室状態が続いたとしてもそれほど利益にならないうえに、そこから管理費、修繕積立金、税金、リフォーム費なども支払わなければならないため、大きな儲けにならないことがわかるでしょう。

一方、一棟アパートなら表面利回り6〜8%が期待できるため、融資の返済額などを差し引いてもある程度利益が残り、アパート全体の30%が空室であったとしても30万円前後の収入があります。

このように、ワンルームマンション投資は一棟所有の不動産投資と比べて利回りが低く、得られる投資リターンが少ないため、儲からないといわれる傾向にあります。

空室になると収入がゼロになる

ワンルームマンション投資は、空室になると収入がゼロになることも儲からないとされる理由の一つです。

一室単位で購入するため、常に状態が「住んでいる」「住んでいない」の2択となり、住んでいない状態となれば家賃収入がゼロになります。しかし、入居者がいない状態であったとしても、融資の返済などがストップすることはないため、その場合は自己資金から支払わなければなりません。

一方、一棟所有の不動産投資であれば、空室がいくつかあったとしても、他に入居者がいれば家賃収入がゼロになることはなく空室リスクを分散できます。

ただし、一棟アパートの空室率は20%前後が目安とされるのに対し、東京都のワンルームマンションの空室率は約10%といわれています。ワンルームマンションの方が、比較的入居者が見つかりやすい傾向にあります。

そのため、ワンルームマンション投資は空室になると収入がゼロになるとはいえ、きちんと物件を見極められれば、すぐに入居者が見つかる物件を購入することも可能でしょう。

次の物件を買い進めにくくなる

ワンルームマンション投資は1室だけでは利益になりにくいため、将来的に複数の不動産を所有したり、一棟所有をしたいと考えている方も多いでしょう。

しかし、ワンルームマンション投資を始めると、次の物件を買い進めにくくなる傾向にあり、投資の規模を拡大しにくいことから儲からないと評価されることもあります。

というのも、都心のワンルームマンションを2,000万円で購入しても、購入後も価値を維持できるケースは少なく、積算評価でみると700万〜800万円程度にしかならないことがあります。仮に2,000万円のフルローンで購入した物件が、積算評価で700万〜800万円になれば、-1,200万円の債務超過をしている状態とみなされます。

不動産投資で金融機関が重要視する指標は「個人属性」と「物件」に大別できますが、ワンルームマンションは物件の価値よりも、個人属性を見て融資を決める方法が一般的です。

そのため、物件の価値は低く評価されても、会社員などの属性を信用して融資を受けられるケースがあります。しかし、それこそが債務超過で信用棄損している状態となり、追加融資を受けられない状態となる可能性があるのです。

もちろん、属性が高かったり、自己資金でカバーできる金額が高かったりすればさらに融資を受けられることもありますが、ワンルームマンション投資から将来的に一棟買いしたいなどと考えてる方は、とくに慎重に検討すべきでしょう。

ワンルームマンション投資のメリット

なぜワンルームマンション投資が儲からないといわれるのかについて解説しました。もちろん、一棟所有よりも利回りが低かったり、他の物件を買い進めにくくなったりする点から「儲からない」と評価されることはあります。しかし、空室率が低いなどプラスの側面もあります。

実際にワンルームマンション投資は人気の投資方法であり、安定的な収入になっている人がいるのも事実です。

そこで、ワンルームマンション投資を始めるメリットを見ていきましょう。

初期費用が少なくても始められる

ワンルームマンション投資は、初期費用が少なくても始めやすいというメリットがあります。

ワンルームマンションは地方都市であれば200万〜300万円、東京でも600万円から購入可能です。1,000万円の物件を購入するなら、300万円を頭金として支払い、残金は融資を受けてスタートできるでしょう。このように、物件の購入価格を全額自己資金でカバーしなくても、融資を受ければ自己資金として支払うのは頭金と諸費用だけで済み、新車を購入するのとあまり変わらない価格で不動産投資家になれます。

不動産投資初心者にとっては、大きな資金を投じることなく、投資の流れや経験を積めることも魅力といえるでしょう。

一方、一棟所有の不動産投資の場合、物件価格は少なくとも数千万円、ときには数億円となります。自己資金だけでも高額になるうえに融資のハードルも高くなるため、簡単に始められるものではありません。

回転率が高く入居者が見つかりやすい

ワンルームマンションは、独身の方や学生、新社会人の住居としてはもちろん、駅近の立地が多いことからオフィスやサロンとして使われるケースもあり、幅広いニーズがあります。

実際に、ファミリー向けのアパートなどは空室率20%程度が目標とされますが、東京都のワンルームマンションの空室率は約10%と低く、常に満室のワンルームマンションも珍しくありません。

立地や利便性などワンルームマンションに求められるポイントを満たしていれば、仮に空室が出てもすぐに新しい入居者が見つかりやすいこともメリットです。

流動性が比較的高い

ワンルームマンションは、他の不動産と比較して流動性が高いこともメリットの一つです。

一棟マンションなどは物件の価格が高く、買い手は投資家に限られるため、売りに出してもすぐに買い手が見つかることはほとんどありません。

しかし、ワンルームマンションなら不動産投資物件のなかでは比較的少額であり、投資家はもちろん、居住用やオフィス用として買いたいという方もいます。売却したいと考えたときにスムーズに買い手が見つかりやすく、資産としての流動性が高いことは、区分所有ならではの魅力でしょう。

管理の手間が少ない

ワンルームマンションは、管理の手間が少なく、本業が忙しい方などでも始めやすいこともメリットとして挙げられます。

一棟マンションの場合、エントランスやエレベーター、廊下など、すべての場所が管理対象となりますが、ワンルームマンションの場合は一部屋のみを管理するため、管理対象が小さくて済みます。

また、基本的な運用や管理は不動産管理会社に代行してもらうことが一般的であり、クレーム対応や事務管理なども任せられます。管理の手間をかけずに不動産投資家になれるのです。

ワンルームマンション投資のデメリット・リスク

ワンルームマンション投資にはさまざまなメリットがある反面、デメリットやリスクも存在します。

ワンルームマンションを購入してから後悔することのないよう、どのようなデメリットやリスクがあるのか見ていきましょう。

空室期間は収入がなくなる

ワンルームマンションは駅近の立地が多いことなどからニーズが高く、入居者が見つかりやすいのは事実です。

しかし、常に「住んでいる」「住んでいない」の2択の状態となるため、一度空室となった場合、新しい入居者を見つけるまでの間は収入がゼロとなります。仮に2ヶ月で新しい入居者が見つかったとしても、2ヶ月間の融資の返済などは自己負担でカバーしなければなりません。

なお、単なる入退去だけでなく、周辺環境の変化や社会情勢など、オーナーが管理できないことで空室リスクが高まることもあります。空室による影響を大きく受けやすいことはデメリットといえるでしょう。

金利が変動するリスクがある

ワンルームマンション投資では融資を受けて始める方が多いですが、住宅ローンとは異なり変動金利となることが一般的です。

変動金利は固定金利よりも金利が低く設定されている反面、短期プライムレート・長期プライムレートによって金利が変わるため、将来的に金利が上がるリスクがあります。

融資の返済期間中に金利が上昇し、家賃収入では毎月の返済や修繕費などをカバーできなくなり赤字になる可能性もゼロではありません。キャッシュフローの悪化を想定し、必要に応じて繰り上げ返済をするなどの計画を立てておきましょう。

資産価値が下落することがある

不動産の価値は日々変動しており、築年数はもちろん、周辺に新しい不動産が建つなどの環境の変化にも影響を受けることがあります。

ワンルームマンション投資では区分所有となるため、たとえ物件全体の老朽化が進んでメンテナンスを必要としていても、共有スペースのメンテナンスや修繕に関する決定権はありません。所有している部屋のなかをどれだけ丁寧に管理していても、自分では変えられない部分で将来的に資産価値が下がる可能性がある点はリスクといえます。

不動産自体の価値が下がれば、入居者を見つけるために家賃の見直しが必要となることもあるでしょう。しかし、一度下げた家賃は簡単に上げられなくなること、家賃を下げると資金シミュレーションが崩れて収益ダウンにつながることなどを踏まえて、慎重に検討しなければなりません。

出口戦略が限られている

物件によりますが、ワンルームマンション投資は最終的な出口戦略が限定的であることも懸念点の一つです。

「売却する」「自宅として使用する」「贈与・相続する」という3つの選択肢が基本となります。しかし、自宅として使用するには小さすぎるケースや、収益の出にくい物件の場合、贈与・相続しにくくなる可能性もあります。さまざまな理由でスムーズな出口戦略が見つからないことも多いのです。

また、売却も選択肢の一つですが、時期や金額を事前に検討しておくことが大切です。不動産の売却は、不動産会社探しをはじめ、買い手の募集や売買契約などさまざまなステップがあります。売却を決めてからスムーズに買い手が見つかったとしても、数ヶ月はかかることが一般的です。

急に現金化しなければならないとなると、急いで買い手を見つけるために不本意な値下げが必要になる可能性が高いでしょう。売却するときも計画的に出口戦略を立てておくことが重要になります。

家賃保証が十分でない

ワンルームマンション投資は空室によるダメージが大きいため、不動産会社や保証会社による「家賃保証」が利用できることもあります。

基本のサービスは、毎月一定の保証額を支払うことで、空室が発生したときの家賃を保証してくれるというものです。しかし、家賃保証を受けられる期間や保証される金額は不動産会社や保証会社によって異なります。保証期間が終了していたり、一定の条件下では家賃が保証されなかったりするケースもあるため注意が必要です。

家賃保証に入っておけば安心だと考えるのではなく、あらかじめ保証内容をきちんと確認しておきましょう。

節税効果が小さい

ワンルームマンション投資は不動産投資のなかでも節税効果が小さい点がデメリットとして挙げられます。

というのも、ワンルームマンションは一棟アパートや一戸建てより購入額が低いため、減価償却として計上できる額も少なく、結果として期待するほど大きな節税効果を得られないケースが多いからです。

節税だけを目的に物件自体の資産価値を判断せずに購入してしまい、節税効果が得られないばかりか、むしろキャッシュフローが悪化するといった事態も想定されます。

節税効果がまったくないわけではないため、どのくらいの節税効果を期待するのかはもちろん、物件そのものの収益性や投資目的、投資プランを明確にして計画しましょう。

ワンルームマンション投資に向いている人の特徴

ワンルームマンション投資はメリットが多い反面、デメリットやリスクもあることがわかりました。

では、ワンルームマンション投資はどのような人に向いているのか、特徴を見ていきましょう。

物件に使える自己資金が少ない

ワンルームマンションは地方都市であれば200万〜300万円、東京でも600万円から購入可能であり、自己資金だけでも手が届く可能性があります。また、大半の方が金融機関から融資を受けて始めるため、2,000万〜3,000万円の物件であっても、自己資金として出すのは頭金と諸費用で合計200万〜300万円というケースも珍しくありません。

一棟アパートなどは物件価格が高額である分、物件価格の1割を頭金として用意することさえむずかしいケースが多いですが、ワンルームマンション投資なら少ない自己資金でもスタートできる可能性があります。準備できる自己資金に限りがある方におすすめです。

また、自己資金に余裕を持って始められれば、空室や金利変動などでキャッシュフローが悪化したときにも備えやすくなるため、あえて自己資金を出さずに始める方もいます。

長期的な資産形成を目指している

ワンルームマンション投資は、短期間での大きなリターンを目指すよりも、長期的な視点での資産増加を期待するものです。

実際に表面利回りは4〜5%程度であり、そこから融資の返済や修繕費などをまかなうため、短期でのリターンはそれほど期待できないことがわかります。しかし、空室率が低く、入居者が見つかりやすいため、長期的に運用していくことで少しずつ資産が形成されていきます。

そのため、数十年先の将来のために、コツコツと資産形成をしたい方に適した方法だといえるでしょう。

ローリスク・ローリターンの投資を重視している

ワンルームマンション投資は、ハイリターンが狙える投資方法ではありませんが、リスクを抑えて不動産投資できることが魅力です。

一棟アパートに比べるとリターンが少ないことは事実です。しかし、仮にキャッシュフローが悪化して融資の返済が苦しくなっても、買い手が見つかりやすい、本業の収入で赤字分を補填できる可能性があるなど、リスクが低いという一面もあります。

ハイリターンを狙って大きなリスクを背負うよりも、家庭や本業に影響のない範囲で堅実に資産形成をしたい方には、ワンルームマンション投資がおすすめです。

ワンルームマンション投資のよくある失敗例

ワンルームマンション投資を始めた方のなかには、大きな損失を出して失敗する方もいます。

できるだけ失敗するリスクを低くするためには、よくある失敗例を確認し、どのようなポイントで失敗しやすいのかを踏まえて戦略を立てることが大切です。

では、ワンルームマンション投資のよくある失敗例を見ていきましょう。

利回りだけで物件を選ぶ

ワンルームマンション投資で投資物件を選ぶ際、「利回り」は必ず確認するポイントです。しかし、利回りの高さだけで物件を選ぶと失敗しやすくなります。

もちろん、利回りは投資計画を立てるうえで欠かせませんが、不動産広告などに記載されている利回りの多くは「表面利回り」です。表面利回りは、単に物件価格に対してどのくらいの家賃収入が得られるかを表した数値であるため、維持管理費や不動産を保有するうえでかかるコストは加味されていません。

しかし、ワンルームマンション投資では、固定資産税や管理費、修繕費などさまざまな費用がかかり、最終的にいくらの収益になるのかが重要なポイントとなります。

より現実的な利回りを確認するなら、ワンルームマンション投資の経営にかかる経費を考慮して計算された「実質利回り」を自分で算出して確認しましょう。

ただし、ワンルームマンションの需要が高いと予想される都心の人気エリアでは、利回りが低くても安定して入居者を確保しやすいなどの利点もあります。利回り以外の要素も含め、総合的に条件のよい物件を選ぶことが重要です。

相場より高い物件を購入してしまう

不動産の相場はわかりにくく、物件を見て的確に相場を当てられる方は少ないでしょう。

このような相場のわかりにくさから、不動産会社に勧められて相場より高い物件を購入し、失敗する事例も頻繁に発生しています。

仮に2,000万円が相場のワンルームマンションを3,000万円で購入してしまった場合、周囲の家賃相場より高く設定せざるを得ません。同条件の物件にもかかわらず周囲より家賃が高ければ、当然空室率が高まり、キャッシュフローの悪化につながります。

不動産相場はわかりにくいものですが、不動産会社の担当者の話だけを信じるのではなく、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するレインズ・マーケット・インフォメーションを見たり、周囲の物件相場を自分で調べたりして、納得できる価格の物件を購入しましょう。

サブリースに頼りすぎてしまう

ワンルームマンション投資は、サブリースに頼りすぎて失敗する事例も多い傾向にあります。

不動産投資のサブリースとは、賃貸経営を行うオーナーからサブリース業者が賃貸物件を借り上げて転貸する仕組みです。入居の有無にかかわらず、オーナーには保証賃料が支払われます。不動産投資の大きなリスクの一つである空室リスクを回避できるうえに、管理・運用を一任できることもメリットです。

しかし、サブリース業者に賃料の10〜15%程度を支払う必要があり、家賃収入を最大化できなくなることに加え、賃料の見直しをされて家賃収入がさらに減少するなど、さまざまなリスクがあります。

ただでさえ、ワンルームマンション投資はほかの不動産投資よりもリターンが少ないため、楽さだけを優先してサブリースに頼ると失敗するリスクが高くなります。契約するかどうかを慎重に判断しましょう。

短期的な判断で購入してしまう

短期的な判断で物件を購入することも、失敗につながりやすい事例の一つです。

たとえば、不動産会社から勧められたり、ワンルームマンション投資セミナーに参加したりして出会った物件について、「なんとなく縁を感じた」「これまで出会った物件のなかで最も利回りが高い」などの理由で購入するケースが挙げられます。

早く投資を始めたい、ほかの人に条件のよい物件を取られたくないなどの理由で焦るものです。しかし、相場を調べたり、シミュレーションを立てたりせずに短期的な判断で購入するのはおすすめしません。

短期的な判断だと相場より高い賃料設定で利回りが算出されていたり、将来的に管理費と修繕積立金が跳ね上がることを加味しないまま購入してしまったりする可能性が高いからです。

ワンルームマンション投資を成功させるためのコツ

ワンルームマンション投資は失敗例が多いものの、必ず失敗してしまう投資ではないことは確かです。

ここでは、ワンルームマンション投資の成功率を高めるコツを解説します。

中古のワンルームマンション投資から始める

ワンルームマンション投資は、新築ではなく、中古のワンルームマンションからスタートしましょう。

ワンルームマンション投資に限らず、不動産投資では条件のよい物件をできるだけ安く購入することが鉄則です。新築ワンルームマンションは、設備が新しく、汚れもないため入居者が見つかりやすいのは事実ですが、新築であるが故に物件価格が割高に設定されています。

一方、中古のワンルームマンションであれば、新築のワンルームマンションよりも20〜40%程度の価格で購入できるケースが多い点が特徴です。初期投資を抑えてスタートでき、利回りを維持しやすくなります。

ただし、住宅設備や内装・間取りは新築物件よりも条件が悪いことも多いため、空室対策や修繕費用について考慮しておくことが大切です。

ワンルームマンション投資に強い不動産投資会社を選ぶ

ひとえに不動産投資会社といっても、一棟アパートの投資に強いところもあれば、ワンルームマンション投資に強いところもあります。

ワンルームマンション投資を一人で成功させるのはむずかしいため、信頼できる不動産投資会社をはじめ、不動産管理会社やリフォーム会社などの協力が必要不可欠です。信頼できる不動産投資会社に出会えれば、最初の物件探しはもちろん、その後の運用や出口戦略、新しい物件の買い増しなどをスムーズに進められます。

大手だからといって信頼するのではなく、実際の対応や不安や疑問に対してどのような提案をしてくれるかという点も重要なポイントです。ワンルームマンション投資に強く、信頼できる一社を選びましょう。

綿密なシミュレーションを立てる

ワンルームマンション投資を成功させるためには、綿密なシミュレーションを立てることもコツの一つです。

無料で使えるツールもあるため、自分自身で購入を検討している物件のシミュレーションを立ててみてください。シミュレーションを立てる際に必要になる項目は以下の通りです。

  • 実質利回り
  • 想定家賃収入
  • 想定入居率/想定空室率
  • 諸経費・税金額
  • 自己資金
  • ローン借入額・借入期間
  • 金利

基本的に不動産投資会社がシミュレーションを立ててくれますが、実際に自分で計算することが大切です。自分でシミュレーションを立ててみると、どのようなリスクがあるのか、どのような出口戦略を目指せるのかなど、将来のことを踏まえて運用しやすくなります。

まとめ

今回はワンルームマンション投資がなぜ儲からないといわれるのかを解説しました。

ワンルームマンション投資は、一棟アパートなどの不動産投資に比べると期待できるリターンが小さいことや、利回りが低く収支がマイナスになりやすいことなどから、儲からないと評価されることがあります。

しかし、少額で始められることや、入居者が見つかりやすく空室率を抑えやすいなどの魅力もあります。長期的にコツコツ運用することを目的とするなら適した投資方法でしょう。

そして、ワンルームマンション投資よりもさらに少額で始められる不動産投資として、「不動産クラウドファンディング」があります。少額から不動産投資ができ、5%程度の利回りが期待できます。また、不動産の管理や運用は事業者に一任できる点もメリットです。

不動産クラウドファンディングを始めるなら、首都圏の中古物件に特化したエキスパート集団が管理・運用する「不動産BANK」がおすすめです。年利6%という一棟アパート所有と同等のハイリターンでありながら、ローリスクの取引を実現しています。

ぜひ今回の記事を参考に、不動産クラウドファンディングやワンルームマンション投資などの少額から始められる方法で、不動産投資をスタートさせてみてください。

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