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不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングにおける失敗のリスクは?対策法も解説

不動産クラウドファンディングに興味があるけれど、投資自体が初めての方はこのような疑問を抱えているのではないでしょうか。 不動産クラウドファンディングには、「元本割れ」「途中解約できない」「投資先事業者が倒産」などのリスクがあります。しかし、対策をすれば最小限にリスクを抑えられます。 この記事では不動産クラウドファンディングのリスクや失敗を回避する方法、メリットなどを詳しく解説します。

「不動産クラウドファンディングを始めようとしているけどリスクはあるの?」

「リスクを回避する方法は?」

不動産クラウドファンディングに興味はあるものの、リスクが気がかりで一歩踏み出せていない方も多いのではないでしょうか。

確かに不動産クラウドファンディングは投資である以上、リスクはつきものです。ただし、事前にリスクについて理解し、対策を講じておけば、損失を最小限に抑えられます。

本記事では、不動産クラウドファンディングにおけるリスクやその回避方法などを解説します。不動産クラウドファンディングに向いている人の特徴なども紹介するので、利用を検討している方は参考にしてください。

※ 本サイトでは、不動産クラウドファンディングについての情報を網羅的に掲載しております。
以下の内容もぜひご参考くださいませ。

不動産クラウドファンディングとは

不動産クラウドファンディングは、オンライン上で投資家から集めた資金を元手として、事業者が不動産の取得や運用をおこなう投資手法です。

運用により得た利益の一部は事業者から投資家へ分配されます。

不動産クラウドファンディングで取り扱う投資物件は、アパートやマンション、商業施設などさまざまです。それぞれ利回りやリスクも異なり、自身の運用方針にあった物件を幅広い選択肢のなかから選ぶことができます。

ただし、不動産クラウドファンディングでは、いくつかのリスクがあるのも事実です。大切な資金を投じる前に、まずはリスクの種類を把握しておくことが重要です。次章で詳しく見ていきましょう。

不動産クラウドファンディングにおける6つのリスク

不動産クラウドファンディングには、以下のようなリスクがあります。

  • 運用成果によっては元本割れを起こす
  • 資金拘束を受ける
  • 事業者が倒産する可能性がある
  • 人気が高いファンドへの出資は難しい
  • 出資できるファンドが見つからないこともある
  • 元本の償還が遅延するケースがある

適切な対策を講じていくためにも、まずはそれぞれのリスクについて正しく理解することから始めましょう。

運用成果によっては元本割れを起こす

不動産クラウドファンディングには、運用成果次第で元本割れを起こすリスクがあります。不動産クラウドファンディングには元本保証がないため、分配金と運用期間終了後に支払われる償還金の合計額が出資額を下回る可能性もゼロではありません。

たとえば、賃貸住宅に投資する場合を考えてみましょう。居住者がいれば、賃料収入の一部が分配金として支払われます。しかし、空室が続いてしまうと賃料収入が少なくなり、投資家への分配がおこなわれなくなることもあるのです。

また、運用期間を終えると物件を売却し、償還金に充てるケースが一般的ですが、必ずしも予定通りの売値がつくとは限りません。分配金で利益が出ていた場合でも、物件の売却がうまくいかずに償還金が減少してしまうと、結果的に収支がマイナスになるおそれがあります。

資金拘束を受ける

資金拘束を受けることも、不動産クラウドファンディングのリスクといえるでしょう。不動産クラウドファンディングのファンドには運用期間が設けられており、一度出資すると満期を迎えるまでは基本的に解約できません。事情により手元に現金が必要な場合でも、換金できない可能性があるため、注意してください。

したがって、不動産クラウドファンディングに投じるお金は、余剰資金を用いることが重要です。生活に必要な資金を確保しつつ、最初のうちは必要最低限の資金で投資しましょう。

事業者が倒産する可能性がある

不動産クラウドファンディングには、サービスを提供している事業者が倒産するリスクもあります。経営状況が悪化したり、不祥事を起こしたりした場合には、不動産クラウドファンディングのサービスが終了するだけでなく、事業者自体が倒産してしまうことにもなりかねません。

投資先の事業者が倒産すると、今までの投資分が返ってこない可能性もあります。ただし、不動産クラウドファンディングサービスを提供しているのは、国に認められた事業者だけです。そのため、急に事業者が倒産し、資金を失ってしまう可能性は極めて低いといえるでしょう。

人気が高いファンドへの出資は難しい

不動産クラウドファンディングのリスクとして、人気が高いファンドへの出資が難しい点もあげられます。

各ファンドでは募集期間を定め、先着順で出資者を募るケースが一般的です。そして、高利回りを期待できるファンドなどは、募集開始直後に応募上限まで達してしまうケースが多く見られます。そのため、普段パソコンやスマートフォンを自由に触れない場合は、応募が間に合わず、希望するファンドへの出資が叶わないこともあるでしょう。

しかし、人気のファンドに出資できないからといって、諦める必要はありません。詳しくは後述しますが、抽選方式のファンドもあるため、うまく工夫すれば人気のファンドにも出資できる可能性は十分あります。

出資できるファンドが見つからないこともある

出資できるファンドが見つからないことがある点も、不動産クラウドファンディングのリスクとして覚えておきましょう。

不動産クラウドファンディングでは、常にいくつものファンドが立ち上がっているわけではありません。そのため、ホームページを確認したタイミングで、出資者を募集しているファンドが見当たらないケースもよく見られます。業界トップクラスの調達額を誇る不動産クラウドファンディングのサービスであっても、2024年1月に募集があったファンドは2件だけというケースもあります。

サービスによって案件数に違いはあるものの、基本的には大差ないものと考えてよいでしょう。不動産クラウドファンディングを始める際は、複数のサービスに登録したうえで、新しいファンドが立ち上がっていないかをこまめにチェックすることを心掛けてください。

元本の償還が遅延するケースがある

不動産クラウドファンディングでは、元本の償還が遅延するケースがあります。各ファンドに投資した元本は、運用期間を終えた時点で償還されるのが基本です。しかし、不動産の売却がうまくいかなかった場合などは、事業者から遅延の申入れがおこなわれることもあります。

単に遅延するだけであれば、収支に大きな影響は生じません。しかし、予定していた資金繰りができなくなったり、資金不足で投資機会を逃してしまったりするおそれがあることは理解しておく必要があります。

不動産クラウドファンディングは比較的リスクの低い投資手法といえる

不動産クラウドファンディングは以下のような理由から、比較的リスクの抑えられた投資手法だと考えられます。

  • 1万円程度の少額から始められる
  • 運用をプロに一任できる
  • 価格変動がなく運用益が安定しやすい
  • 優先劣後方式が導入されている

リスクだけでなく、不動産クラウドファンディングの強みにもしっかりと目を向けたうえで利用するかどうかを判断しましょう。

1万円程度の少額から始められる

不動産クラウドファンディングが比較的リスクの抑えられた投資手法といえる理由のひとつは、少額から始められることです。出資額が少額であれば、大きなリターンこそ狙えませんが、損失のリスクも大幅に抑えられます。

最低出資額はサービスによって異なりますが、1万円程度から出資できるケースが一般的です。投資額を1万円にとどめていれば、たとえ損失が発生した場合でも、生活に支障を及ぼすようなことはないでしょう。投資の初心者でも、不動産クラウドファンディングであれば低リスクで気軽にチャレンジできるはずです。

運用をプロに一任できる

不動産の運用をプロに一任できることも、不動産クラウドファンディングが比較的低リスクの投資手法といえる理由にあげられるでしょう。

不動産クラウドファンディングでは、投資家から集めた資金で、豊富な運用ノウハウを有する事業者が不動産の取得・管理をおこないます。そのため、投資家自身に十分な知識・経験がなくても、安定した利益を狙うことが可能です。

たとえば、現物不動産投資では、不動産会社に運用を委託できるものの、物件の選定や全体的な運用方針の検討は自身がおこなわなければなりません。しかし、不動産投資の知識がないと、適切な判断を下すことは難しく、運用成果に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

不動産クラウドファンディングでは、投資家がなにもしなくても分配金が入ってきます。もちろん、出資するファンドを慎重に選定しなければなりません。しかし、一度出資してしまえば、あとは事業者が質の高い運用をおこなってくれます。

価格変動がなく運用益が安定しやすい

不動産クラウドファンディングには価格変動がないため、運用益が安定しやすい特徴があります。不動産クラウドファンディングは事業者のプロジェクトに対して出資するものであり、特定の金融商品を保有するわけではありません。そのため、保有商品の価格変動による損失のリスクがないことを覚えておきましょう。

たとえば、株式はほぼ毎日価格が変動し続けています。そのため、気になる銘柄を購入した後に価格が急落し、大きな損失を生み出してしまうこともあるかもしれません。また、FXに投資する場合も為替相場は常に動いているため、資産管理を怠ると1日で資産の大半を失ってしまう可能性があります。

価格変動をともなう金融商品への投資は、精神的な負担もかかりやすいため注意が必要です。価格の上下に一喜一憂していると、冷静な投資判断ができなくなります。その点、不動産クラウドファンディングには価格変動がなく、ただ分配金を待つだけであるため、無理なく取り組めるはずです。

優先劣後方式が導入されている

一般的に、不動産クラウドファンディングの事業者は、「優先劣後方式」を導入しています。優先劣後方式とは、不動産運用によって利益が発生した際に投資家へ優先して利益が分配され、損失が発生した場合は事業者が優先して損失分を負担する仕組みです。仮に損失が発生しても事業者側が優先して負担するため、投資家の損失リスクが軽減されます。

たとえば、物件の取得価格が1億円、優先出資割合70%、劣後出資割合が30%だったとしましょう。この場合、3,000万円までの損失であれば、事業者の出資分から補填されることになります。ただし、3,000万円を超える損失が発生した場合は、超過分を投資家が補填しなければなりません。

なお、優先劣後の割合は事業者やファンドによって異なるため、事前に確認しておきましょう。劣後出資割合が30%あれば十分好条件といえます。初心者の方はひとつの目安にしてみてください。

不動産クラウドファンディングとほかの不動産投資のリスク比較

次に、不動産クラウドファンディングとほかの不動産投資のリスクを比較してみましょう。不動産投資に興味があるものの、どの投資手法を選べばよいのか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

現物不動産投資

現物不動産投資とは土地や建物を購入し、貸し出したり、売却したりすることで利益を得る投資手法のことです。不動産クラウドファンディングとリスク面で比較した場合、主に2つの違いがあります。

ひとつ目は、初期費用の金額です。一般的に現物不動産投資では、数百万~数千万円程度の初期費用を要します。金融機関から融資を受けて始めるケースが多く、不動産経営がうまくいかなかった場合は、多額の負債を抱えることにもなりかねません。

一方、不動産クラウドファンディングなら1万円程度から始められます。自己資金内で投資することになるため、現物不動産投資のように負債を背負うリスクはありません。

もうひとつ、不動産クラウドファンディングと現物不動産投資の違いとして挙げられるのが、出口戦略の難易度です。現物不動産投資では家賃収入だけでなく、物件の売却益もあらかじめ見込んでおく必要があります。しかし、不動産の知識がない初心者が、物件の適切な売値や売却のタイミングを見極めるのは難しいでしょう。家賃収入で利益が生じていても、売却時に大きな損失が出ると、結果的に資産を減らしてしまうことになります。

不動産クラウドファンディングでは、あらかじめ事業者が運用期を定めているため、投資家が出口戦略を考える必要はありません。不動産投資に精通した事業者が売却方法まで想定して、ファンドを立ち上げてくれています。

J-REIT

J-REITとは、投資家から集めた資金で不動産投資をおこない、収益の一部を還元する金融商品のことです。お金の流れは不動産クラウドファンディングに似ていますが、リスク面で大きな違いがあります。

まず、J-REITには価格変動リスクがある点に注意してください。J-REITは証券取引所に上場しており、取引がおこなわれるたびに価格が変動します。そのため、購入直後に価格が下落し、損失を出してしまうこともあるでしょう。

一方、不動産クラウドファンディングには価格変動リスクがありません。価格の上下を気にすることなく、安定的に利益を得られます。

ただし、流動性に関しては、J-REITのほうが優れているといえるでしょう。上述のとおり、J-REITは証券取引所に上場しているため、取引期間中であれば、いつでも好きなタイミングで売買できます。そのため、利益を見込めないと判断した場合や、現金が必要になった場合などに素早く売却することが可能です。

反対に、不動産クラウドファンディングは、運用期間が終わるまで途中解約は原則認められません。一度出資してしまうと、しばらくの間、資金拘束を受けることになります。

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングとは、資金調達したい企業と出資したい投資家をマッチングするサービスのことです。事業者がお金を集めて企業に融資し、利息を投資家に配分する仕組みがとられています。不動産の運用益ではなく、企業が支払う利息が投資家に還元されるため、不動産クラウドファンディングとは構造が根本的に異なることをまず理解しておきましょう。

ソーシャルレンディング特有のリスクとしては、出資先に関する情報を得られにくい点があげられます。出資先を検討する際に情報の量や質は重要な判断材料になりますが、ソーシャルレンディングでは借り手企業の情報がほとんど公開されていないケースも少なくありません。そのため、企業の信用力などを適切に判断できず、貸し倒れにあってしまうリスクがある点に注意しておきましょう。

不動産クラウドファンディングでは、各事業者が積極的に物件の情報を開示しています。事業者によって差はあるものの、必要最低限の情報は確認したうえで、出資先を選定できるはずです。

不動産クラウドファンディングに向いている人の特徴

不動産クラウドファンディングに向いている人の特徴としては、主に以下2つがあげられます。

  • 投資や資産運用の経験がない人
  • リスクを抑えて不動産投資に取り組みたい人

自身にあてはまる部分がないか、確認しながら読み進めてみてください。

投資や資産運用の経験がない人

これまでに投資や資産運用をおこなった経験がない人は、不動産クラウドファンディングに適しているといえます。

まず、不動産クラウドファンディングでは、少額出資が可能です。サービスによっては1万円程度から出資できるため、リスクを抑えて投資経験を積みたいと考えている方に適した投資手法といえるでしょう。

また、不動産クラウドファンディングでは、不動産の取得や運用をすべて事業者に任せられます。そのため、出資する側に投資や資産運用の経験がなくても問題ありません。利益を最大化できるように、不動産投資のノウハウをもったプロが効率的に運用をおこなってくれます。

リスクを抑えて不動産投資に取り組みたい人

不動産クラウドファンディングは、リスクを抑えて不動産投資に取り組みたい人にもおすすめです。上述したとおり、不動産投資にはリスクの抑制につながる仕組みが数多く存在します。

  • 1万円程度の少額から始められる投資先が多い
  • 運用をプロに一任できる
  • 価格変動がなく運用益が安定しやすい
  • 優先劣後方式が導入されている

たとえば、同じ不動産に投資する場合でも、現物不動産投資と不動産クラウドファンディングではリスクに大きな違いがあります。もちろん具体的な運用方法によってリスクの大きさは変わるため、どちらが望ましいかを一概に示すことはできません。しかし、初期費用を抑えられたり、損失が生じても投資家の出資額が守られる構造があったりするため、基本的には不動産クラウドファンディングのほうが低リスクといえるでしょう。

不動産クラウドファンディングのリスクを回避する方法

ここでは、不動産クラウドファンディングのリスクを回避する方法を紹介します。

  • 分散投資を意識する
  • 事業者選びを慎重におこなう
  • 物件情報のリサーチを怠らない
  • 利回りだけで投資先を判断しない
  • 出資金を途中で回収できる業者を選ぶ
  • 抽選方式で募集されているファンドに応募する

しかるべき対策をとっているかどうかで最終的な利益は大きく変わるため、一つひとつのポイントをしっかりと押さえておきましょう。

分散投資を意識する

不動産クラウドファンディングを利用するなら、1つのファンドに絞らずに分散して投資することをおすすめします。1つのファンドに資金をすべて投資してしまうと、運用状況が悪化した場合のリスクが大きくなるためです。複数のファンドに投資していれば、いずれかで損失が出ても、ほかのファンドの利益でカバーできる可能性があります。

また、複数のサービスを利用することも大切です。上述したとおり、不動産クラウドファンディングでは、サービスを提供している事業者自体が倒産してしまうリスクがあります。事業者が倒産すると出資金が返金されない可能性もあるため、特定のサービスだけを利用することはおすすめしません。不動産クラウドファンディングでの資産運用に取り組む場合は、まず複数のサービスで会員登録することから始めましょう。会員登録するだけなら、基本的に無料でできます。

事業者選びを慎重におこなう

不動産クラウドファンディングを始める際は、事業者選びを慎重におこなうことも大切です。どの事業者を選ぶかによって投資成績は大きく変わるほか、選定を誤ると事業者が倒産してしまう可能性もあります。ここでは、事業者選びのポイントを詳しく見ていきましょう。

十分な運用実績があるか

まずは、事業者に十分な運用実績があるかどうかを確認しましょう。過去に高い利回りを実現している実績があれば、運用能力に対する信頼性も高まります。

運用実績は、各ホームページに掲載されているケースが一般的です。利回りの実績などが公開されている場合もあるため、事業者選びの際は必ずチェックしてください。

また、過去に元本割れや償還遅延があったかどうかも確認しておくとよいでしょう。何年にもわたって元本割れや償還遅延がない事業者を選べば、損失のリスクを大きく抑えられるはずです。

取扱物件数は豊富にあるか

取扱物件数が豊富にあるかどうかも、事業者選びのポイントといえるでしょう。取扱物件数が多いということは、その分、投資先の選択肢も広がります。反対に、取扱物件数が少ない場合は、投資する機会さえ得られないことがあるため注意してください。

また、自身が投資したい不動産の種類を扱っているかどうかも重要です。たとえば、ホテルや商業施設への投資を希望している人が、マンションを中心に取り扱っているサービスを利用しても意味がありません。サービスごとにそれぞれ特徴があります。取り扱っている物件の数と種類を必ず確認しておきましょう。

物件情報のリサーチを怠らない

不動産クラウドファンディングのリスクを回避するためには、物件情報のリサーチを怠らないことが大切です。物件情報から将来的な需要を適切に読み取ることができれば、高い利回りの物件に出資できる可能性があります。

具体的には、以下のような情報に着目しておくとよいでしょう。

  • 不動産の種類
  • 築年数
  • 構造・規模
  • アクセス性
  • 競合物件の有無
  • 立地地域の人口・世帯数
  • 時価

不動産クラウドファンディングは比較的リスクの低い投資手法ですが、必ずしも利益が出るとは限りません。あとで後悔することのないように、自身が納得して投資できる物件を探しましょう。

利回りだけで投資先を判断しない

不動産クラウドファンディングにおいては、利回りだけを見て投資先を判断しないようにしてください。利回りの高いファンドは、その分、損失のリスクも大きくなる傾向があります。投資全般にいえることですが、リスクとリターンは比例関係にあることを念頭に置いておきましょう。

たとえば、宿泊施設や商業施設は比較的高い利回りが期待できます。しかし、景気の影響を受けやすいため、経済状況が下向きになっている時期は利益が出ないこともあるかもしれません。この場合、投資家も分配金を得られなくなったり、元本割れしたりする可能性が出てきます。

一方で、マンションなどの居住物件は、景気の影響をほとんど受けません。入居者がいる限り安定した利益をあげられるため、低リスクでの運用が可能です。

高利回りのファンドに絞って投資するのもひとつの方法ですが、自身のリスク許容度にあっているかどうかの判断を間違えないように注意しましょう。

出資金を途中で回収できる業者を選ぶ

不動産クラウドファンディングを始める際は、出資金を途中で回収できる業者を選ぶことも検討してみてください。多くの事業者は原則として途中解約を認めていないため、出資後はしばらくの間、資金拘束を受けてしまいます。

そのため、資金をより柔軟に運用したい場合は、途中解約ができる事業者を探してみましょう。事業者の選択肢は限られてしまいますが、急にお金が必要になったときや、ほかの運用方法に乗り換えたいときなどにも素早く対応できるようになります。ただし、手数料が発生したり、一定の制限が設けられたりすることもあるため、途中解約の要件をしっかりと確認してください。

抽選方式で募集されているファンドに応募する

抽選方式で募集されているファンドに応募すれば、人気の案件に出資できないリスクを抑えられます。多くのファンドは先着順で募集がおこなわれており、人気の案件はすぐに応募上限まで達してしまいます。そのため、時間の融通が利きにくい一般的な会社員などは、投資機会を逃してしまうケースも少なくありません。

一方、抽選方式のファンドなら、誰にでも平等にチャンスがあります。募集期間さえ把握しておけば、応募を急がなくても人気の案件に投資できる可能性が出てくるわけです。

また、サービスによっては優先投資枠が設定されていることもあります。一定の条件が設けられているため、初心者が利用するのは難しいですが、抽選方式で出資実績を積み上げていけば、将来的に活用できるようになるかもしれません。

まとめ

不動産クラウドファンディングのリスクは以下のとおりです。

  • 運用成果によっては元本割れを起こす
  • 資金拘束を受ける
  • 事業者が倒産する可能性がある
  • 人気が高いファンドへの出資は難しい
  • 出資できるファンドが見つからないこともある
  • 元本の償還が遅延するケースがある

不動産クラウドファンディングは投資である以上、一定のリスクは必ずともないます。ただし、適切な対策を講じておけば、リスクを回避することは十分可能です。また、少額出資ができたり、優先劣後方式が導入されていたりと、損失を抑えるための仕組みもあります。そのため、現物不動産投資や株式投資、FXなどの投資手法と比べたらローリスクな投資が期待できるでしょう。

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